プリキュアの数字ブログ

プリキュアの数字に関するブログです。数字以外の事も半分くらい。数字に公平であるため広告、アフィリエイトは導入していません。価格.comのプリキュアおもちゃ特集ページ書きました。

「アンパンマン会議」が日本を支配する。

 

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月刊トイジャーナル2017.9(No1283)   p54


「アンパンマン会議」をご存知でしょうか?

購読しているおもちゃの業界誌「トイジャーナル」2017年9月号に
「幼児向け最強IPの成長を支える「アンパンマン会議」の役割とは?」
と題した、ちょっと面白い記事があったので紹介します。

「アンパンマン会議」とは、
アンパンマン玩具の商品化権窓口である「日本テレビ音楽」が主催して、
・アガツマ
・ジョイパレット
・セガトイズ
・バンダイ
のアンパンマンの玩具を製造販売している4社が、アンパンマンの玩具の企画を持ち寄って、世界観にあっているか、商品に問題はないか、等の議題を話し合っている会議です。

同トイジャーナルの記事中に「アンパンマン会議」の写真があります。

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月刊トイジャーナル2017.9(No1283)   p54

この場所で「アンパンマン玩具」の意思決定がなされている様です。
「アンパンマン玩具の意思決定」それはつまり「日本の意思決定」を意味するのです。

このアンパンマン会議、2017年8月1日の段階で1389回も行われています。
1988年8月に第1回が開かれて以来、29年間も毎週「アンパンマン会議」は行われている様です。

かなり歴史のある会議です。

 

アンパンマン会議とは

概要を見ると、

  1. 毎週火曜日に執り行われている。
  2. ランセンシー4社(アガツマ、ジョイパレット、セガトイズ、バンダイ)と日本テレビ音楽の各3名づつ計15名で行われる。
  3. 2017年8月段階で1389回、29年間続いている。
  4. アンパンマンの玩具について各社が企画を持ち寄る会議である。
  5. ライセンシーが企画を持ち寄って一緒に企画会議をするのは業界では異例な事
  6. 会議では必ず結論を出す。
  7. カテゴリーについての各社のせめぎ合いは当然ある。
  8. 話が紛糾する場合、センター長が決済をする。
  9. 場合によっては別室でトップ会談をする。
  10. 会議で監修を通る商品は、4社計、年間100点を超える。
  11. 市場を壊す様な急激な変化は求めない。

 といった感じでしょうか。

会議のコンセプトは最初から変わらず、4社が集まって一緒に企画会議をするという形です。
アンパンマンのライセンスは1業種1社が基本ですが、アンパンマンを子ども達に浸透させていくためには玩具が非常に重要ということで4社のライセンシーさんに商品化をお願いしていますので、こうした会議は玩具だけになります。

月刊トイジャーナル2017.9(No1283)   p56

権利者側(ランセンサー)と、メーカー(ランセンシー)各社が「一同に会して」、おもちゃの企画会議をする、っていうのは通常でありえない話なんだそうです。
(メーカー各社は、完全なライバル企業ですからね。)

会議で企画を提示した時には他社から「この分野は当社が既に獲得しているカテゴリーです」といった話も当然出ますが、商品化が一旦決まれば、今度はその商品について各社の担当者が話し合い、言ってみれば4社で1つ1つの商品をブラッシュアップしています。
月刊トイジャーナル2017.9(No1283)   p57

商品化が決まるまでは、各社色々な思惑があり衝突もある様ですが、商品化が決まれば各社団結して商品を仕上げていく様です。

そんな会議を29年も続け、メーカー利害の垣根を越えて「アンパンマンの玩具」のクオリティを保証しているのですよね。
このあたりに「アンパンマン」といコンテンツが日本の幼児に絶大な支持を受けている要因があるのだと推察されます。

ここ数年は非常に順調に推移していて、3年前に妖怪ウォッチとアナ雪が大ブームになった時もアンパンマンはほぼ影響なく例年通りでした。

月刊トイジャーナル2017.9(No1283)   p58

 2014年当時、プリキュアも大打撃を受けた「妖怪ウォッチ」「アナと雪の女王」の影響をアンパンマンはほとんど受けなかった様です。
アンパンマン、安定して強い。


ちなみにバンダイのトイホビー売り上げの推移だけを見ると、こんな感じです。
(グラフは著者作成。あくまで「バンダイ1社のトイホビー売り上げ」なので参考までに)

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プリキュアが妖怪ウォッチ、アナ雪の影響を受けて2015年3月期に大幅ダウンしているのに対し、アンパンマンは比較的安定していますね。
というか、プリキュアが一度落ち込んでからの回復に手間取る中、アンパンマンはわずか1年で例年並みに回復させています。
やっぱり、「安定感」は抜群です。アンパンマン。

アンパンマン会議が日本の未来を決める。

現在、アンパンマンというコンテンツは、子供から絶大な支持を受けています。
ウチの子供たちも入園前は、アンパンマンさんには大変お世話になりました。

アンパンマン たのしい! おふろセット

アンパンマンを通過しない幼児はいなんじゃないか、というレベルで幼児(とその親)には浸透しています。

アンパンマン放送開始から29年。当時5歳だった子供は今34歳。これからの日本を動かしていくであろう年齢です。
そう。
この先日本の舵を切っていく政治家も、大企業の社長も、IT界の大物も、もちろんサラリーマンも主婦も、子供の頃には「アンパンマン」に育てられているのです。

日本の子供を育てているアンパンマン。
それはいわば日本の未来を育てている、といっても過言ではないでしょう。
そんなアンパンマンの玩具は全て「アンパンマン会議」によって決められているのです。

つまり

「アンパンマン会議の意思決定」それはすなわち「日本の意思決定」に他ならないのです。

(おわり) 

アンパンマン NEWおいかけっこアンパンマン