プリキュアの数字ブログ

プリキュアの数字に関するブログです。数字以外の事も半分くらい。数字に公平であるため広告、アフィリエイトは導入していません。価格.comのプリキュアおもちゃ特集ページ書きました。

今、プリキュアに必要なものは何か?--選択バイアスの罠より。--

2017年のプリキュア「キラキラ☆プリキュアアラモード」が始まり1ヶ月が経ちました。個人的にはキュアマカロンに期待しています。
2016年「魔法つかいプリキュア!」は玩具をはじめ関連商品の売り上げ、映画の興行収入なども上昇傾向で今、プリキュアに勢いが戻ってきています。

この期を逃してはいけません。
プリキュアというアニメーションが更なるステップアップをするにはどうすればよいのでしょうか?

選択バイアスの罠

ちょっと話変わりまして、
これは統計学などの「選択バイアス」の説明で出てくる有名なお話です。

下記の図は、第2次世界大戦中アメリカの戦闘機が帰還した際にダメージを受けていた箇所を示しています。
戦闘機の帰還率を上げるためには、どこの装甲を強化するべきか?という問いです。

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画像引用:要点で学ぶデザインの法則150 p255(ビー・エヌ・エヌ新社)

一見見ると、被弾した赤いポイントの部分の装甲を強化するべきだ、という事になるのですが、
この場合戦闘機の帰還率を上げるには、

「赤いポイントのある部分」の装甲を強化するのではなく、
「赤いポイントが無い部分」を強化する必要がある、という結論になります。

赤いポイントのある部分を攻撃されても帰還は出来たのですけど、
赤いポイントの無い部分を攻撃された機体は帰還できなかった、
という事になりますものね。


ダメージの見えていない部分を強化することにより「帰還率」が上がるのです。


これは「戦闘機全体」では無く「帰還した戦闘機のみ」からデータを取ることより、データに偏りが生じているのです。
この様にデータの背景となる母集団について全く考えずに、偏ったデータで結論を出してしまう事を「選択バイアスの罠」と言うようです。

で、突然なんでこんな事を言い出したのかというと、
プリキュアが更にステップアップするのに必要な事がここにあるような気がするからなのです。


これを無理矢理プリキュアに当てはめてみます。
プリキュアという作品を上図の飛行機だとすると、
「プリキュアに寄せられるクレーム」ってのが飛行機でいう「被弾した赤いポイント」です。


2017年「キラキラ☆プリキュアアラモード」において、従来のプリキュアからの大きな変更点として「肉弾戦の封印」が挙げられています。

玩具業界紙「トイジャーナル」2017年2月号において

また、番組演出面ではユーザーの意見を参考に、女児が怖がってしまう敵キャラクターのビジュアルを変更したり、戦闘シーンでは肉弾戦を抑えるなど、さらなる新規層の取り込みに向けた工夫がされているのも特徴といえる。
トイジャーナル2017.2 p9

「キラキラ☆プリキュアアラモード」のキャラクターのビジュアルの変更や、肉弾戦の封印は「ユーザーの意見を参考にしている」旨が記載されています。

「敵キャラが怖いので見ない」「戦闘シーンを子どもに見せたくない」といった意見が多々寄せられているのでしょうね。
今回のプリキュアはそういった意見を取り入れました。

しかしこれらは、バンダイや東映アニメに寄せられた苦情の一部なのかも知れませんが、それは「声を届けている」という点においてまだプリキュアを熱心に見ている親子でありファンなのでしょう。

こういった人達の意見を取り入れる(=赤いポイント部分の装甲を強化する)ことはもちろん大事だと思います。
しかし
「プリキュアを見ている子供とその親」を母集団とした意見では、データに偏りが偏りが生じてしまうのです。
(当然、偏りは無く「戦闘シーンが怖い」といった意見の母集団が「子ども全体」である可能性も否定できませんけどね。従って以下は只の妄想です。)

プリキュアをさらにステップアップさせるために聞かないといけない声は、上図の戦闘機でいう所の被弾していない点「致命傷となり帰還できなかった」箇所なのではないでしょうか。

「無言でプリキュアから立ち去った子供の声」
「最初からプリキュアに近寄らなかった子供とその親の声」
「プリキュアを全く見ていない子供」
「プリキュアって何?という親」

これらの「声なき声」を知る必要があるのではないでしょうか。

当然これらはテキストとして顕在化されないので知る事が難しいのです。

プリキュアに関心の無い層がプリキュアについて意見をする事はないですものね。
(自分も全く興味の無い分野に意見しようとは思いませんしね)

だからこそ。
自分はそれを知りたいのです。

それを何とか知る方法はないものでしょうか。
幸いにも(何故か)当ブログにはプリキュアを全く見ていない方や、かつては見ていた(見せていた)けど…といった方が沢山訪問されています。ありがたい事です。

プリキュアを子供が見ていない、見なくなった、
プリキュアを親が見せていない、見せなくなった、

そんな方の意見。
そこにこそ、プリキュアという子供向けアニメーションが更にステップアップする鍵があるような気がします。

(その点長く続いている「戦隊シリーズ」はこういったファン以外からの「声なき声」を上手く取り入れている印象を受けます。)

ここでも少しづつでもそういった意見を拾っていけれたら良いなと思います。

(で、つまり結局何が言いたいかというと逆説的には、プリオタである自分の話す事なんぞ聞く必要はこれっぽっちもない、という事ですよね。)

 

(おわり)