プリキュアの数字ブログ

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おジャ魔女どれみド49話「ずっとずっと、フレンズ」の「眼鏡に涙が落ちる演出」が好き。(おジャ魔女20周年)

誰しも人生の記憶にずっと残り続ける「アニメの1話」ってあると思います。

僕は、おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」が心に一生残り続けるのだろうな、って思います。だって17年だった今でも、あの時の記憶を鮮明に覚えているのですから。

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おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より


舞台は雪が降り続ける卒業前の美空小学校。劇伴を極力排除した、静かな、しっとりとした空気感、はづきちゃんの決断、2人を見守る4人の友達、どれみとはづき幼馴染み2人。朝の通学路、2人の想い。はづきちゃんの眼鏡に落ちる涙。そしてラスト2分のセリフを一切排除した演奏シーン。

おジャ魔女どれみドッカ~ン!の2003年1月。
シリーズ終了に向けて1つ、また1つ。彼女たちの物語が収束していく中で描かれた細田守演出の第49話は、どれみとはづき2人の親友の物語。おジャ魔女たち6人が自分の意志で未来へと進んでいく物語。

僕は、この「優しさに満ち溢れた」お話が大好きなのです。

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おジャ魔女どれみが20周年を迎えました。

www.doremi-anniv.com

2018年、プリキュア15周年が一段落したと思ったら、今度はおジャ魔女20周年が始まりました。
自分のツイッターのタイムラインには、ぼちぼち「おジャ魔女どれみ」関連のイラストで賑やかになってきました。(こういう時、自分のタイムラインを褒めてあげたい)

でね。タイムラインで偶然はづきちゃんのイラストを見かけた時、ふと思い出したのです。「はづきちゃんと言えば、あの回をいつも思い出す」って。

成田良美脚本、細田守演出のおジャ魔女どれみドッカ~ン第49話「ずっとずっと、フレンズ」です。

おジャ魔女どれみの「細田守演出回」は第40話「どれみと魔女をやめた魔女」の方が何かと話題になるのですが、*1自分としては第49話「ずっとずっと、フレンズ」がの方が好きなのですよね。

最終回(まさにシリーズ最終回)に向けて、どれみちゃんの大親友はづきちゃんの物語が「未来へと進む」この回が大好きで大好きで。

(以後、第49話の内容に触れています。未見の方注意です)

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 おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

 

舞台は雪の降る美空町。
雪が降り続けている、という演出が随所に入ります。

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おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話より


美空小学校の風景は灰色をベースにして描かれ、窓からは雪の白が注ぎ込み、白色の光と対になる闇が描かれます。

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 おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より


カレン女学院に合格したはづきちゃんは、美空中学に行くか、カレン女学院にいくかで悩んでいます。
どれみちゃんには「美空中学に行く」と言っていたものの、音楽を本格的に学ぶにはカレン女学院の方が良いのでは、と心が揺れています。

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おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

どうしようか、と悩むはづき。

ここ、心象を表す「傘と足跡の位置関係」がお見事すぎて鳥肌がたちます。

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おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

 最初、5人の傘の位置関係で横の繋がりを表しているのかな、って思っていたら、カメラが下に行くと「平行で交わらない足跡が3本」、その真ん中にはづきちゃんの傘があるのです。

 

事の始まりは、はづきちゃんが作曲した「Friends」という曲を、卒業記念にみんなで演奏しよう、という所からはじまります。

しかしはづきちゃんは、心ここにあらずで練習も失敗ばかり。
それを決して重くなり過ぎず、子供アニメらしく途中でギャグパートも挟みつつ、「雪が降り続ける事」で心象を表します。

↓ここ、楽譜に雪の影が落ちる演出、すごくないですか? 

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 おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より


担任の関先生に言われて「自分がカレン女学院に行きたい」事に気づいたはづきちゃん。どれみちゃんへそれを告げようとします。
しかし「どれみちゃんに嫌われるのではないか?」との思いからそれを言い出せません。

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 おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

逆にどれみちゃんに、冷たい手を指摘され言われます。
「ダメじゃん。バイオリニストは手を大事にしなきゃ」

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おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

 言い出せなかった自分に落ち込むはづきちゃん。
光から影へ、よろよろ歩いて、座り込む姿が時間をかけて描かれます。

 
そして、この時の、あいこちゃん、おんぷちゃん、ももこちゃんがきちんと見守っているの素敵ですよね。

(3人の会話中、ずっと「落ち込むはづきちゃん」と「ハナちゃんとはしゃぐどれみちゃん」がフレームインしているの、凄くないですか??)

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  おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

あいこ「はづきちゃん、思い切って言うたらええのに」
ももこ「でも、はづきちゃんだから……どうする? あたし達から……」
おんぷ「もう少し様子を見ましょう。どうしても言えない様なら、あたし達が…」

この距離感は「ずっと時を過ごしてきた友だち」だからこその距離間ですよね。
このシーンこそが「おジャ魔女どれみという作品が4年間で積み重ねてきた、彼女たちの物語の集大成」だったのだではないのかと思います。
どれみとはづきの物語なのですけど、他の4人もしっかりと描写します。

 
その夜。

はづきちゃんは「Friends」の練習中、再度思います。
「自分はバイオリニストになりたい」
それは
「幼稚園の頃、どれみちゃんのおかげでバイオリンを好きになれた」から。
そんな大好きなどれみちゃんと2人で演奏するために「Friends」を作ったのだと、気づきます。

同時に、どれみちゃんも自宅でピアノの練習中「Friends」の曲を弾きながら「はづきちゃんらしいな・・」と気づきます。

 

翌朝、決断した学校に出かける前のはづきちゃんの演出が、これまた「大人っぽい」のですよね。

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おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

朝。通学路で出会うふたり。

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 おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

切り出したのははづきちゃん。 
「聞いて、私、どれみちゃんに言わなきゃいけないことがあるの。実は・・・実は・・・」
ここで逡巡するはづきちゃんの目が左、右、左へと動くのも良いです。

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 おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

どれみちゃんから切り出します。
「はづきちゃん、カレン女学院に行きたいんでしょ?」

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おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より


「知ってたの?」

「薄々ね」

「これ、カレン女学院の入学届。自分で書いたの。どれみちゃん、私、カレン女学院に行くわ」


「入学届」を自分で書いた事。それは自分の意思で、自分の夢のためにどれみちゃんと離れる選択をした事。
そして、自分がバイオリンを好きになったのは、どれみちゃんのおかげだった事。
だから、バイオリンの勉強をしたい。だから、カレン女学院に行きたい。
そんな想いをどれみちゃんに伝えます。

「私、本気でバイオリンの勉強がしたい。カレン女学院で本格的に。バイオリニストになりたいから・・・。」
「でも、カレン女学院に行ったら、どれみちゃんと離れ離れになるし。もう今みたいにはできないと思うと中々言い出せなくて・・・」

どれみちゃんは手袋を外した手ではづきちゃんの手をさすります。

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 おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

「はづきちゃん。学校が別々だって、きっと、はづきちゃんの事、手に取るみたいに分かるよ」
「まだ、言ってなかったよね。合格…おめでとう」

 
そして、自分が一番好きな所。
はづきちゃんの眼鏡に涙が落ち、そのレンズ越しにはづきちゃんの手をさするどれみちゃん。

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  おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より



涙が頬を伝わるのではなく眼鏡に落ちている。それは、はづきちゃんが大きく泣いている事。それでも、しっかりどれみちゃんの手を見据えている事。そのどれみちゃんの手は「バイオリニストは手を冷やしちゃダメだよ」と無言ではづきちゃんの未来を祝福している事。

 「どれみちゃん・・・ありがとう。ごめんね」

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 おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

 

そしてここから、ラストシーン。
おジャ魔女たち6人の演奏シーンが2分間「まったくセリフなしで」流れます。
流れているのは、はづきちゃんの作った「Friends」だけ。 
バイオリンとピアノで始まり、そこにギターが重なり、フルートとハーモニカが重なり、指揮棒を振るハナちゃん。

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おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より

この2分間のやさしい演奏シーンは、どれみとはづきの幼稚園時代の思い出を経て、「Friends」の文字で幕を閉じます。

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おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」より


どれみとはづきの2人で始まったおジャ魔女の物語が、たくさんの音が重なって「Friends」で終わっていくの、ステキじゃあないですか。

ああ。
もう、今思い出しても本当に良いお話なのです。

魔法を使うシーンも、変身シーンも無く、使われている劇伴が「Friends」以外は3つ?だけ、後半Bパートで流れる劇伴は「Friends」のみ、という恐ろしいまでの音の演出もお見事です。

脚本、演出、劇伴から声優さんの演技まで、まさに4年間「おジャ魔女どれみ」をずっと見続けてくれたファンにはたまらない(そしてせつない)最高のプレゼントだったのです。


2019年は「おジャ魔女どれみ」が20周年で盛り上がっていくと思います。おジャ魔女どれみシリーズにはたくさんのエピソードがあって、どれもステキなのです。

(ドッカ~ン!ではプロレス好きの女の子が少しだけオトナへと変わっていく第13話「むつみの引退宣言!」も大好きなのですよね)

あなたの大好きなエピソードは何でしょうか?

 

(ついでに!!)

おジャ魔女どれみドッカ~ン!の終盤は「聖母の様な包容力」を発揮していたどれみちゃんですが、この2話後の最終回でどれみちゃんの感情が「最後の最後になって爆発」するのです。
MAHO堂に引きこもるどれみちゃん、その心の扉を最後に開いたのは??そんなどれみたち6人のおジャ魔女の最終回もものすごくお勧めの1話です。ぜひ一緒にご覧ください!!

そしてそのあとは小説「おジャ魔女どれみ16」シリーズへと続いていくのです。
そちらも決して「未来は楽しいことだけではない。けれど前を向いて生きていこう」を真正面から描ききった名作小説なのです。
おジャ魔女たちの「その後」を知りたい方、必見ですよーー


ああ、もう。
17年たった今も「どれみロス」って無くならないものなのですね・・
この「おジャ魔女どれみ20周年」たくさんのどれみ達に、また会えると良いな。

 
(おわり)


(↓アフィリエイトじゃないので安心して!)
おジャ魔女どれみドッカ~ン!第49話「ずっとずっと、フレンズ」はバンダイチャンネル、東映アニメーションオンデマンドなどで見る事が出来ます。
(有料ですが、お金払う価値ある1話だと思います)
またレンタルDVDでも何でも良いので、一度見て欲しいのです。

東映アニメオンデマンド おジャ魔女どれみドッカ~ン!

おジャ魔女どれみドッカ~ン! | バンダイチャンネル|初回おためし無料のアニメ配信サービス

 



(おわり)