(40歳以上にしか響かないかも・・)
かつて「ファンロード」っていうアニメ雑誌がありました。
誌面の90%が読者のハガキ投稿で成り立っていたと言われる伝説の雑誌ですね。
ネットが普及する以前、まだツイッターもピクシブも無かった時代の大きなお友達の集会所みたいな雑誌でした。
ちょっと思いついて、
「ファンロードは、プリキュアをどう扱っていたのか?」
という記事を書こうかなと思って、昔のファンロードをしらみつぶしに調べていたのですが、残念ながら思った程プリキュアはファンロード内では語られていませんでした(「シュミの特集」コーナーで特集が組まれた事はありました。)
引用:2005年6月号 シュミの特集 ふたりはプリキュア大辞典)
「変身少女特集」でもかなりの文字数でプリキュアに触れられています。
引用:シュミの特集 変身少女大辞典
当時の大きなお友達のプリキュアを取り巻いた状況や、大きなお友達がプリキュアをどのように見ていたか等の貴重な情報が記載されていました。
ただ、ファンロードにおいては、単発的にはプリキュアに触れられるものの、継続して触れられる事が少なかったので、記事としてまとめるのはどうしようかな、と思っています(文字量とかイラストの数とかの経時的な比較がしたかった・・)
プリキュア関連に関しては、また後日まとめていきたいと思います。
で、当時のファンロード、読んでみると
「ローディスト」とか「ビョーキ雑誌」とか「イニシャルビスケットのK」とか「ゲゲボ」とかもう、なんというか懐かしいフレーズが満載で読んでいて切なくなってきました。
なにがなんでもベスト10
ファンロードはどの時期のどの記事よんでも、当時の熱量に当てられるのですが、プリキュアからさらに20年さかのぼる事1984年(昭和59年)のファンロードを見ていたら、面白い記事がありました。
「ザ☆なにがなんでもベスト10」っていう、編集部からお題が出されて読者投稿でベスト10を決めるアンケート企画なのですが、33年前ながらも「今」に通じる内容が面白かったのです。
ちょっと紹介します。
1984年(昭和59年)3月号
ローディストが選ぶ83年10大ニュース
1位:ファンロード月刊化(199票)
2位:発売日の厳守(49票)
3位:F.R.O.P.A完成(43票)
4位:発売日前に出た(36票)
5位:大韓航空機撃墜(35票)
6位:ついにヤマトが一応完結。
7位:田中有罪判決(28票)
7位:定価490円(28票)
9位:中森一郎デビュー、爆発的人気
10位:ファンロードを買い始めた
大韓航空機撃墜よりも、ファンロードが月刊化する方が重大なニュースであるという所が、当時のこの雑誌の空気感を醸し出しています。(雑誌内での内輪ネタが全盛だったのですよね)
あと、ヤマトが「一応完結」となっている辺りもさすがです。
1984年(昭和59年)2月号
あの人はどこへ行ったの?ベスト10
1位:リン・カイフン(34票)
2位:リン・ミンメイ(33票)
3位:シャア・アズナブル(32票)
4位:カタカム・ズシム(29票)
5位:明神タケル(27票)
6位:ファロちゃん(25票)
7位:マクロスのヨっちゃん(16票)
7位:うる星原作のメガネ(16票)
7位:グイン(16票)
10位:トリトン(15票)
10位:うる星の花輪先生(15票)
当時、何が流行っていたのかが判りますね。カタカム・ズシムはザブングルのキャラです。当時でも古めな明神タケル(ゴッドマーズ)が入っている所も読者層が伺えます。
1984年(昭和59年)1月号
続きを作ってもらいたいアニメベスト10
1位:宇宙戦艦ヤマト(169票)
2位:超時空要塞マクロス(158票)
3位:魔法のプリンセス ミンキーモモ(109票)
4位:戦闘メカ ザブングル(86票)
5位:機動戦士ガンダム(70票)
6位:六神合体ゴッドマーズ(66票)
7位:スペースコブラ(60票)
8位:ルパン三世(55票)
9位:クラッシャージョウ(49票)
10位:パタリロ(37票)
当時、続編希望のアニメはガンダムよりもマクロスだったようです。
この中でもけっこう続編が作られたアニメもありますよね。
この辺りから、ちょっとアンケートが攻めてきます。
当時の空気感だから許されていた感じでしょうか。
1984年(昭和59年)5月号
原作のイメージをモロに崩されたアニメベスト10
1位:みゆき(268票)
2位:ウイングマン(238票)
3位:伊賀野カバ丸(214票)
4位:さすがの猿飛(165票)
5位:うる星やつら(160票)
6位:キャッツ・アイ(145票)
7位:ストップ!!ひばり君!(125票)
8位:キャプテン翼(104票)
9位:プラレス3四郎(98票)
10位:六神合体ゴッドマーズ(58票)
「みゆき」ってそんなに原作のイメージ崩れてましたっけ・・?
1984年(昭和59年)6月号
早く引退してほしいマンガ家ベスト10
1位:ち〇拓(250票)
2位:車〇〇美(150票)
3位:江〇〇史(60票)
4位:松〇〇士(54票)
5位:石〇〇〇郎(51票)
6位:中〇〇郎(47票)
7位:あ〇〇充(45票)
8位:手〇〇虫(43票)
9位:ゆ〇〇〇ご(40票)
10位:藤〇〇〇雄(38票)
こんなのが一般書店で流通している雑誌のアンケートで行われた世の中だったのですよね。
1984年(昭和59年)8月号
将来なりたいものベスト10
1位:漫画家(76票)
2位:FRの常連(67票)
3位:アニメーター(37票)
4位:小説家(28票)
5位:編集者(26票)
5位:FR編集長(26票)
5位:FR編集者(26票)
8位:声優(20票)
9位:本屋さん(17票)
10位:編集長(14票)
10位:おヨメさん(14票)
この中で実際に夢を叶えた人も多いのじゃないでしょうか。
しょこたんとか、こげどんぼ*先生とか・・。
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ファンロードは、東京、永田町の国会図書館にバックナンバーが蔵書されていますので(残念ながら欠けている巻も多数ありますが)、気になる方は見に行ってやってください。
当時を知る人は、あまりの懐かしさに死にそうになりますし、
当時を知らない人も、ネット普及以前の大きなお友達の熱量を感じられて面白いと思います。
(おわり)