実際の所、プリキュアって何人くらいの子供がみているのでしょうか。
あ、大きなお友達がどれだけ見ているのか、は今回関係ありません。
メインターゲットである子供が実際どれくらい見ているのか、データから見ていきたいと思います。
NHK放送文化研究所が調べています。
NHK放送文化研究所様が毎年「幼児のテレビ視聴と録画番組・DVDの利用状況」ってのを出しています。
これは幼児のTVの視聴時間や録画状況などが調査され大変面白い資料です。
その中で「NHK・民法で良く見られている番組」ってのが集計されています。
対象は東京30Km圏の2-6歳の幼児、約600人。
2歳、3歳、4歳、5,6歳毎に集計されていて、
幼児が良くみている番組を集計しています。
幼児がよく見ている番組の中には(当然?)プリキュアも入ってきますよね。
ちょっとまとめました。
データは全て、
個人視聴率調査 | NHK放送文化研究所より「幼児のテレビ視聴と録画番組・DVDの利用状況」(2015年のみ雑誌「放送研究と調査2015.10」(NHK出版))より、プリキュアに関するデータのみを抜粋しました。表、グラフは筆者によるものです。
プリキュアのこども視聴率について(6月所定日)
2015年6月14日の「プリキュアこども視聴率」は、
総合(2-6歳男女):トップ10外(22.8%以下)
3歳男女 :トップ10外(21%以下)
4歳男女 :27%
5.6歳男女 :トップ10外(21%以下)
、という結果になっています。
(実はプリキュアがこの調査の「よく見られている番組」トップ10から外れることは珍しいです・・・。)
例えば、
「4歳男女」で見ると、6月所定日は
2007年「プリキュア5」の時は100人中44人の4歳児男女が見ていたのに対し、
2015年「Go!プリンセスプリキュア」では100人中27人の4歳児男女が見ていた
ことになります。
総合(2~6歳男女)では、今年(2015年)は22.8%以下で正確な数値は判りませんでした。
総合(2~6歳男女)では、100人中
2006年(SS) 28.2人
2007年(プリ5) 34.8人
2008年(GoGo) -
2009年(フレ) 32.0人
2010年(ハト) -
2011年(スイ) 28.4人
2012年(スマ) -
2013年(ドキ) 23.2人
2014年(ハピ) 25.7人
2015年(Gプ) 22.8人以下
の推移です。(2008、2010、2012年は調査日にプリキュアの放送がありませんでした)
あと、これはあくまで、「男女」の計ですね。「女児」ではありません。
残念ながら、全体的に年を追うごとにこどもの視聴率は下がってきていますね。
2015年はピーク時(2007年)の65%程度に減少しています。
4歳男女の視聴率は昨年並み
4歳男女では、100人中、
2006年(SS) 34人
2007年(プリ5) 44人
2008年(GoGo) -
2009年(フレ) 35人
2010年(ハト) -
2011年(スイ) 33人
2012年(スマ) -
2013年(ドキ) 24人
2014年(ハピ) 29人
2015年(Gプ) 27人
ここ3年間は、4歳男女の視聴率は24→29→27%と比較的安定しています。
もちろん、それより前は30%推移だったので決して良いわけではありませんが、現在のプリキュア視聴において比較的数値が安定しているのが4歳児であると思います。
5,6歳の視聴率が低下
5,6歳男女では、100人中、
2006年(SS) 32人
2007年(プリ5) 41人
2008年(GoGo) -
2009年(フレ) 37人
2010年(ハト) -
2011年(スイ) 33人
2012年(スマ) -
2013年(ドキ) 28人
2014年(ハピ) 25人
2015年(Gプ) 21人以下
5,6歳の視聴率はちょっと下がってきています。
2007年プリキュア5の時には100人中41人が見ていたのに、
2015年Go!プリンセスプリキュアでは21人以下になっています。
約半減していますね。
もう5,6歳児はプリキュアを観なくなってきている傾向であることがデータから読み取れます。
最近は、おそらくアイカツ、妖怪ウォッチ、プリパラなどに流れていったんじゃないかと推測されますがこの辺りは更なる考察が必要ですね。過去記事でも、読者の方が様々な考察をしていただきました。
3歳男女も下がっている。
3歳男女では、100人中、
2007年(プリ5) 33人
2008年(GoGo) -
2009年(フレ) 32人
2010年(ハト) -
2011年(スイ) 27人
2012年(スマ) -
2013年(ドキ) 24人
2014年(ハピ) 28人
2015年(Gプ) 21人以下
2015年、Goプリンセスプリキュアになってからの傾向として「3歳男女の視聴率も下がってしまった」ことが特徴として挙げられると思います。
今年のプリキュアは対象年齢の中でも比較的低年齢に向けて作られている、と各種インタビューなどでも言われていますが、ちょっと数字には出てきていませんね。
これはもう少し上向いていると思っていたのですが、残念ですね。
3歳でプリキュアを観ないと、4歳、5歳になった時もプリキュアを観る視聴習慣が身についていない可能性もあります。3歳児が見ることにより、来年、再来年の視聴に繋がっていくものと思われます。
プリキュアは今後、こういった3歳児(下手すると2歳児)がメインターゲットになっていくものと思われます。
「Go!プリンセスプリキュア」のシリーズディレクターである田中祐太さんも雑誌(フェブリ)のインタビューでこう言っています。
最近は3,4才よりももっと視聴年齢が低くなっているらしくて、それこそ2才とか、モノがわかるかわからないかくらいの子から観始めるらしいんですね。だからアンパンマンとか「しましまじまのしまじろう」、あるいは「きかんしゃトーマス」を観ていた子たちが、次に観る作品になる。そのために、あまりヘンなものを作ってはいけないなと思っています。
Febri Vol.30 (p30) 田中祐太インタビューより
もちろん、1日だけのデータです。
もちろん、毎年6月のたった1日のデータですので、どこまで信頼性があるのかはわかりません。
しかし毎年同じ時期にデータを取っているのですから、そう大きな外的要因に左右されるとも思えません。
また、世間で大きな事件などが起こると親が朝のニュースを見るために、プリキュアの視聴率が落ちることが良くあります。
しかし調べた範囲ではこの日前後に大きなニュースは起きていませんでした。
あと、詳細は省きますが、このNHK放送文化研究所のこども視聴率と、ビデオリサーチ社のKIDS視聴率は相関がありました。(相関係数=0.92)
結構信頼のある数字ではないかと思います。
録画でみてるんじゃないのかな
あと、今回のNHK放送文化研究所のデータは当然、「リアルタイム」でプリキュアを観ている幼児のデータです。
最近は録画で見る家庭も多いのではないのかな、とも思います。
ただし、現在のプリキュアの録画率自体は他のアニメと比べても高いわけではありません。
レグザ10万台の録画率をランキングしているデータがありますが、
ここでプリキュアがアニメカテゴリでランクインしたことはほとんどありません。
(確か1回位はあったかなあ・・)
つまりプリキュアは現在のアニメの中でも録画率が高い方ではありません。
もう、なんだかGo!プリンセスプリキュアでは、どの数字をだしても、いい数字がなかなか出ません。
でも、本当に(自分の周りの親の間では)評判がとっても良いんだけどなあ・・なんでだろうなあ・・・・。
結論
プリキュアを観ている子供は、残念ながら年々下がっています。
2015年6月のデータでは
プリキュアを観ている幼児(2~6歳男女)は100人中、22.8人以下、
「4歳男女」では、100人中27人がプリキュアを観ています。
この数が多いと見るか、少ないとみるかですね。
個人的には全く問題ないんじゃないかとも思います。
(おわり)
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