(ネタバレ無しの感想です)
東映アニメーション創立60周年記念作品
「ポッピンQ」観て来ました。
公開初日(2016.12.23)ミッドランドシネマ名古屋空港店。75席の一番小さな箱には、自分も含めて観客は13名。
あれ?公開初日にしてはちょっとお客さんが少ないな、という印象でした。
しかし、そんな事関係ありません。
結論からいうと、
「ポッピンQ」。
東映アニメーション60周年記念作品として、本当に素晴らしいアニメーションでした。
ポッピンQ、自分の第一印象は
「3Dの女の子が歌って踊る」のはアイマスとかラブライブとか世間に溢れているけど、大丈夫なのか?でした。
うん。大丈夫でした。
3Dのダンスシーンはプリキュアを彷彿とさせる美麗さ滑らかさ、なのはもちろんの事
とにかく元気に動くキャラクター、
悩みを抱えた中学生女子の心の葛藤と、それを乗り越える王道展開。
(こう書くとプリキュアっぽいですよね)
子供の頃、東映アニメ作品を観て育った。
そう。
ちょうどプリキュアを卒業しちゃった、今の中学生、高校生くらいの女の子にぜひ見てもらいたいな、と思わせるそんな映画です。
もちろん、それ以外の自分の様なおじさん含め全てのプリキュアファン、いやアニメファンであれば、ぜひ観て欲しいと思います。
(だって、全てのアニメファンの源流には「東映アニメ作品」があるハズですものね。)
あ。最初に1つ言っておくことがあります。
公式ツイッターでも言及されていますが、スタッフロールが始まっても、最後の最後を見終わるまでは、席を立たないでください。
最後の最後で重大な情報があります。
(個人的には、ドラクエ3のエンディングを最初にみた時と同じ衝撃でした。今後の作品展開的に)
【エンドロール後に注意!】全国の映画館で「 #ポッピンQ 」をご覧になるお客様へ、どうしても伝えたいことがございます。それは「エンドロールが終わっても絶対に席を立たないでください」ということ…詳しくはこちらから!→ https://t.co/mYJAvFuWrl
— 【公式】ポッピンQ@新小説発売中! (@POPIN_Q_staff) 2016年12月23日
あともうひとつ。
パンフレットでもネタバレしています!!
(自分も先にパンフレット見ちゃったので、あれ?なんでこの5人がおなじ***?って思ってたら、最後の最後で判りました。)
ネタバレ避けたい方、視聴前はパンフレット見ないことをお勧めします。
中学生女子5人が、
ふとしたきっかけで異世界に行き、
仲間と笑いあったり、喧嘩したりしながらも、
心の葛藤を乗り越え、
不思議な力で、
その世界を救う。
そう書くと「プリキュア」じゃん、と思うのですが、
さすがは東映アニメーション。
プリキュアとは全く違った作品に仕上げてきました。
ポッピンQ
概要は省きます。公式サイト観てください。
プリキュアシリーズのCGディレクターとして数々のプリキュ3Dダンスシーンを手掛けてきた宮原直樹さんが監督を務めています。
キャラがかわいい
まずキャラクターが全員かわいいのです。
キノの旅などで有名なイラストレーター黒星紅白さん原案の美麗なキャラクターが「そのまま」動く様はもう圧巻です。
ダンス時の衣装は(パンフにも記載されていますが)黒星紅白さんが
「プリキュア」にならないように意識したという衣装デザイン。
確かにプリキュアとは違う素敵さがあり、3Dダンスシーンでそのデザインが映えまくります。
それぞれのキャラクターの性格に合わせて、かぼちゃパンツだったりミニスカートだったり、ヒラヒラスカードだったりします。
その辺りのセンスは素人目にみてもさすが、と思います。
おそらくですが、男性よりも女性に受けるであろう綺麗な衣装デザインでした。
あ。セクシーな描写は全くありません。下手するとプリキュアよりも抑えめかも知れないレベルです(中盤で5人がずっと着ているモコモコした服はボディラインすら出ていませんものね。)
普通、5人もキャラがいれば1人位セクシーな露出高いキャラ作りそうなものなのに、見事なまでにニチアサボディです。
お子様も安心ですね。
生き生きしたキャラ
その「かわいい」キャラクターが生き生きとしており「その世界に生きている感」がきちんと表現されています。
世界に台詞を言わされているのではなく「本人が心の底から発している言葉」の重さを感じます。(これは声優さんの名演によるところも大きいのでしょうか)
もうね。
「かわいいキャラが、生き生き動く」
これだけでも観る価値があります。
この作品が「アニメーションである事の意味」がそこにあると思います。
ストーリーは王道。
ストーリーは、悩みを抱えた女子中学生たちがふとしたきっかけで異世界に行き、妖精と出会い、対立しながらも友情を育み成長しながら、不思議な力で世界を救う、という王道なお話です。
ストーリーはこちら:劇場アニメ「ポッピンQ」 | 公式サイト
もう、王道展開で、人とか死なないし、裏切らないしで安心して見ていられます。
(とはいえ、ちょっとしたサプライズ展開もあったりで、気が抜けません)
「卒業」が一つのテーマとなっており、主演声優さんで卒業をテーマにしたエンディングソングも歌っています。
ただ1つ、個人的に思ったことは、
ストーリーはちょっと「詰め込みすぎている感じ」で、
TVアニメの「総集編の映画」をみているかのようでした。
実は自分の知らない所で、ポッピンQはTVアニメが放送されていて、
「その総集編の映画なのかな?」と思うくらいには、ストーリーの詰め込みや唐突と思える展開、キャラクターの感情の推移などがありました。
「あれ?このキャラたち、いつの間にこんなに仲良くなったっけ?」
「なんか皆、すぐに現状を理解するよなあ・・」
「いつの間に、そんな展開に・・?」
と思うことがしばしばありました(個人的にですよ。)
プリキュアみたく1年かけて放送(せめて1Q13話分)されていれば、もっと細かい感情を描くことが出来てストーリー的にもものすごい名作になっていたのかな、と思います。
しかし、それは些細な事。
見終わった後には必ず満足感があると思います。
「ガールミーツガール」からの「異世界からの帰還」までをきっちりと描いた綺麗なストーリーでした。しかも要所要所できちんと感動させてくれます。
さいごに。
プリキュアファン的には、主人公「伊純」の同位体「ポコン」が魔法使いプリキュア!に出てくる「チクルン」に見えて仕方なかったです。何故なんでしょう・・。
最後の最後、タイトルの「Q」の文字を使用した「止まっていた時が動き出す」演出はお見事だと思いました。
当初、この映画は2017年1月を公開予定としていたものが、急きょ12月末上映になったと聞きました。(要は正月映画として力をいれていくことの現れでしょう)
それに値する、素晴らしい映画でした。
さあ、ポッピンQが気になった方、ここから沢山公式のムービーが観られます。
小さなお子様も、
大きなお友達も、
男の子も、かつての男の子も
女の子も、かつての女の子も
必ず、絶対に、響くところがあるハズです。
まだ観ていない方、ぜひぜひ劇場に足を運んでください。
東映アニメーションの本気、観させていただきました。
ありがとうございました。
(おわり)