シンカリオンは「大人と子供が一緒に未来を守っていく物語」
第27話「反撃!!E5×500」は、初回からずっと貫かれてきたその思いが大爆発する「すごいお話」でした。
相変わらず、シンカリオンは面白い。
(ので久しぶりに記事を書きました)
第27話は、中盤の盛り上がりどころ、第25話から3話もかけて描かれてきた宿敵「ブラックシンカリオン」との闘いのクライマックス。
エヴァンゲリオンの「ヤシマ作戦」っぽい描写もあったし、
ハヤト君の、新幹線への熱い想いが素敵でした。
(画像引用:新幹線変形ロボシンカリオン第27話より)
シンカリオンが始まった当時に、自分もこんな記事かいて「エヴァぽい」と言っていました。
しかし、エヴァっぽさも(良い意味で)だんだん薄れてきた所(エヴァ新幹線は登場しましたが)に、 中盤の盛り上がりどころ「ブラックシンカリオン」との闘いの中で、
電力を集中して集めて一気に放つ「ヤシマ作戦」が実行されました。
ヤシマ作戦
序盤、綾波レイっぽく担架に載るのもオマージュ?
父ホクトのこだま500とクロス合体したE5(E5×(クロス)500)がブラックシンカリオンと対峙します・
決め技「超グランクロス」を放つも、ブラックシンカリオンを倒しきれない。
電力不足で、2発目を撃てない。このままでは勝てません。
「足りないなら補うしかない」
超進化研究所の電力を全て送電しよう。
ゲンドウさんっぽくメガネをクイッ。
(画像引用:新幹線変形ロボシンカリオン第27話より)
電力を集めて供給する、とか言い出した時は
「エヴァンゲリオンのヤシマ作戦っぽいなあ、でもその辺りはボヤかすのだろうな」って思っていたら、
タカラトミー公式が堂々と「ヤシマ作戦」って言っていました。
おっしゃーー!!ヤシマ作戦開始じゃーー!!( ^ω^ 三 ^ω^ )ヒュンヒュン#シンカリオン#みんなでシンカリオン見ようぜ
— タカラトミー (@takaratomytoys) 2018年7月13日
みんなで協力して、研究所内の電気を集める。
(画像引用:新幹線変形ロボシンカリオン第27話より)
電気が集まるまで「E5×500」をブラックシンカリオンが食い止めます。
そんな時、ハヤト君の新幹線に対する熱い想いが語られます。
「何故止まらない?」と疑問をぶつけるセイリュウに対し、
新幹線は止まらないよ!
新幹線は、夢を持って都会に出る人のため
町を発展させるため
みんなの暮らしを守るため
そして、離れた家族に会いにいくため
たくさんの人の夢を乗せて
ずっと止まらずに走ってきたんだ。
俺もみんなの夢を守る!
俺は絶対に止まらない!
(画像引用:新幹線変形ロボシンカリオン第27話より)
熱いです。ハヤトくん。ちょっと感動しました。
(このままJRのCMに使えそうな名文句です)
この言葉は、新幹線の関係者全てをリスペクトしていてシンカリオンの制作チームの熱い思いを感じました。素敵です。
集まった電力はケーブルで接続し、供給完了。
(画像引用:新幹線変形ロボシンカリオン第27話より)
再度決め技「超グランクロス」と
ブラックシンカリオンの「ヘル・クランクロス」が対峙します。
お互いの気持ちを乗せた対決。周りの応援。
敵サイドも応援します。(敵サイドが応援するのって珍しいですよね)
皆も応援。プリキュアみたいです。
シンカリオンE5×500が勝ちました。
画像引用:新幹線変形ロボシンカリオン第27話より)
勝ちはしたものの相手の事を想い「これで良かったのか?」と悩むハヤトくん。
そんなハヤト君に声をかけたのはフタバさんでした。
画像引用:新幹線変形ロボシンカリオン第27話より)
「シンカリオンの正ヒロインはフタバさんである。」
この説を自分は推していきたいと思います。
フタバさん、小学生操縦士からみれば大人なのですけど、他の大人からみればまだ大人になりきれていない部分もあり、このキャラクターがシンカリオンの物語を絶妙にナビゲートしているのですよね。
「大人と子供を繋ぐ役割」をきちんと配置して、活躍させるのもシンカリオンの凄いところだと思います。
敵が新鮮。
ほら。普通、アニメの敵組織って失敗して戻ってきたら
「この役立たず」
「この責任はどう取るのだ?」
「次は無いぞ」
みたいに叱責されるじゃないですか。
しかし、シンカリオンの敵組織?エージェントは一味違います。
シンカリオンに敗れて戻ってきたセイリュウに対し、
全員で暖かく迎え入れて「お前の事を心配している」と言います。
(画像引用:新幹線変形ロボシンカリオン第27話より)
おそらく疑似家族として描かれているのだと思います。
しかも、
「今まで勝てなかったのはお互いに協力する心が足りなかったせい。それを人間は教えてくれた。この先はみんなで協力していこうぜ」
とかかなりポジティブな発言をしています。
問題が起きたら、きちんと反省し、問題点を洗い出し、改善して、実行していく。
なかなかすごい組織だぞ。謎の組織エージェント。
大人と子どもの物語。
しかし「シンカリオン」が番組開始当初からずっと貫いてきた、
「大人と子供が一緒に未来を守っていく物語」
を再度認識するこの中盤の盛り上がりでした。
速杉ホクトと、速杉ハヤトの親子リンク合体が、その精神を体現し、
大人が子供を信じ、
一緒に戦う。
戦いの後の復旧も、大人と子供で。
(画像引用:新幹線変形ロボシンカリオン第27話より)
子どもが頑張ると同時に、大人が一緒になって頑張る。
大ベテランのキントキさんがホクトを励まし、
ホクトは、リュウジを励まし、
リュウジはアキタを認める。
ずっと世代が繋がって、下の世代が上の世代に認められ、次の世代に気持ちを伝える。
子供が主人公のアニメでありながら決して子どもに全ての責任を押し付けること無く、また、子供も大人を信頼している様子が伺えます。
子供向けアニメでは「大人は役に立たない」「大人は敵」に描かれる事が多いかと思いますが、このアニメではきちんと、大人が子どもの事を考え、子どもも大人を尊重し「お互いに認め合い、共に戦う」。そんな世界なのです。
「子供もすごいし、大人もすごい」を一貫して表現しているのです。
プリキュアももちろん面白いのですけど、「シンカリオン」も「ゲゲゲの鬼太郎」も「キラっとプリ☆チャン」もかなりの高クオリティで朝アニメが本当に面白いですよ、今。
(おわり)