成瀬瑛美がキュアスターで本当に良かった。
プリキュアに憧れ、プリキュアになりたいと願い、プリキュアになった彼女。
2020年2月に開催された「スター☆トゥインクルプリキュア感謝祭」にはそんな彼女に、ある意味残酷な、そして彼女にしかできない重要な役割が課せられていたのだと、僕は思うのです。
(一応説明しておくと、キュアスター役の声優、成瀬瑛美さんはアイドルグループ「でんぱ組.inc」の一人で、スタプリ以前からずっと夢は「プリキュアそのものになる」だった女の子なのです)
「私も、夢のために頑張るのが辛い時期が…」。「プリキュア」の夢を叶えた成瀬瑛美さんが、女の子に伝えたいこと。 | ハフポスト
「スター☆トゥインクルプリキュア感謝祭」のお話です。
大阪(2/15,16)、東京(2/22,23)でファミリー、プレミアム合わせて計8公演が行われました。
プリキュアにおいて終了してしまったシリーズでこういった感謝祭系のイベントが行われる事は珍しい事ですよね。
(特に東京公演は開催2日前の木曜日(2/20)に、新型コロナウイルスに関し厚生労働省からの「イベントの開催に関する国民の皆様へのメッセージ」を受け開催するかどうかの検討が行われましたが、制作側は「細心の注意を払った上での開催」という決断を下しました。難しい判断だったと思います。)
自分は「大阪初日」および「東京千秋楽」のプレミアム公演を見たのですけどね。
もうね。いいおじさんが大号泣。
「1年間の感謝の気持ちを込めて」って主催者側は言うけれど「宇宙いっぱいありがとう」って言いたいのはこっちなの。
プレミアム公演千秋楽(2/23)の感想(というかただの心情)を少しばかり書きたいと思います。
※この先、スタプリ感謝祭のネタバレが盛大にあります。
(2020年7月に感謝祭のBDが発売されるので、そこで見たい方も注意です)
また、途中泣きすぎて記憶があいまいなので所々間違っているかもしれません。
プレミアム公演の内容は
・スタプリ5人の15年後の女子会の様子の朗読劇
・キャラクターショー(けっこう本格的な)
・ライブ
・生アフレコ
・トークコーナー
と盛沢山の内容でした。
朗読劇は、15年後に再開したアラサー女子5人が大阪は心斎橋、東京公演では中野の居酒屋でクダをまく、というとんでもない?設定のものでした。
だって最初に「15年後の同窓会」って聞いたら「感動する系のしっとりとしたモノ」が来るかと思うじゃないですか普通。
ハンカチ用意して待ってたら、「酔っぱらった5人」が居酒屋で”たこわさ”とか”ホッケ”を頼んではクダをまくのですよ。まどかさんは「飲まないとやってられない」とグチるし、えれなさんはAI翻訳に嫉妬し、ひかるは高倉健になり、ユニはキュアウォッカネタを拾い、ララが吐くとかもうそれはそれはカオスな朗読劇。(何を言っているのかわからないかもですが、ぜんぶ本当に起きた事なのです)「公式が最大手」とはよく言ったものです。すっごい内容でした。
次いでのキャラクターショーも本格的なものでした。トランポリンを使った殺陣や「コスモの足、なんでそこまで上がる??」といったプリキュアもキレッキレの動き。ストーリーも「ユニがロケットで暮らす様になるまでの補完ストーリー」を村山脚本でお送りするものでした。(トゥインクルイマジネーションが残り2つと言っていたから第41~42話の間なのかな)。この先、ひかるたちと離れる事に不安を隠せなくなってきたララを通し「離れていてもみんなは星座の様に繋がっている」を描くスタプリらしい素敵なお話でした。
(普段キャラショーを見ない大きなお友達にも新鮮だったと思います、キャラショーで野太い「がんばれー」が響き渡る光景はすごかったです)
楽しいショーの後は「生アフレコ」。
第48話のお別れのシーン。「ひ…かる…あり…がと…」を生で聞けました。それだけでチケット代回収できるレベルですよね。
皆様本当に仲が良い。尊いルン…
ライブも大盛り上がり。それぞれも持ち歌を熱唱。会場も盛り上がります。やっぱりスタプリって良い曲多いですよね。
個人的にはやはり映画の歌「Twinkle Stars」が最高でした。
感謝祭は順調に進み、その都度笑いあり(小松未可子さんがとにかく突っ走る)ほろっとする場面もありながら、最終局面を迎えます。
サプライズでの製作者サイド(フワ役の木野日菜さん、柳川P,宮本SD,シリ構村山功さん、キャラデザ高橋晃、ABC田中昴P、ADK矢崎P)の花束贈呈。製作者サイドも本当にスタプリを愛している事が感じられます。このチームだからこそ出来上がったスタプリ。
フワ役の木野日菜さんと成瀬瑛美さんが泣きながら抱き合っているのが印象的でした。
*****
そして。
ラストのラスト、全員の最後のあいさつ。
スタプリ声優5人と歌姫2人がステージに一同に会し、それぞれ最後の挨拶をしていくの。
みんな口々に子供たちに、我々ファンに、そして一緒にスタプリを作ってきた製作者へ感謝の言葉を伝えていく。
吉武千颯さん、北川理恵さんのスタプリ歌手2人の挨拶。歌に込めた想い。子供たちへの想い。本当に「スタプリの歌」を愛してくれているのが伝わってくる。1年間子どもたちを笑顔にしてくれたスタプリの歌。歌ってくれてありがとう。観客側からも「ありがとう」が自然に出てくる。
次いでスタプリ声優5人の最後の挨拶。
上坂すみれさん、小松未可子さん、安野希世乃さん、小原好美さん、成瀬瑛美さんの順番だったかな。
どの声優さんも「スター☆トゥインクルプリキュア」が大好きである事が伝わってくる。全員が「この5人でスタプリをやれて良かった」って言うの。
「ありがとう」という言葉に対し、観客側からの言葉もまた「ありがとう」の大コール。
そう。スタプリに感謝したかったのはこちら側なのです。僕たちだってずっとスタプリというアニメを育んでくれた人たちに「ありがとう」を伝えたかったのです。その機会が今、来ているのです。
ステージ上の演者の「ありがとう」に対しファンが「ありがとう」で返す。
なんと幸せに満ちた空間なのだろう。
挨拶の最後はキュアスター、成瀬瑛美さん。
「スタプリが大好きだった」
「プリキュアになれて本当に良かった」
「夢のような1年だった」
「みんなありがとう。」
成瀬さんは、スタプリの放送が終わっても、この2月の感謝祭があるからスタプリロスにならなかった、と言っていました。でも、その感謝祭も終わってしまうのです。
彼女の最後の挨拶が終わった時、スタプリはひと段落してしまう。
スタプリに幕を引くのは成瀬瑛美の言葉なのです。それはスター☆トゥインクルプリキュアを人一倍愛しているであろう彼女には、ものすごく残酷な役割だったのだと思います。
「私が話し終わったら、本当に終わっちゃう」とあどける彼女の目には涙。
彼女はしゃべり続けます。
「スタプリが大好きだった」
「プリキュアになれて本当に良かった」
「夢のような1年だった」
「みんなありがとう。」
その話、さっきも聞いたよ。
早口でスタプリの魅力を語る彼女。「キャラもかわいくて~」「いろんな星に行って~」「蛇つかい座のプリンセスも悪い人じゃなくて~」
ずっとずっと、しゃべり続ける。終われない。
「私、家では漫画とかアニメばかり見てる生活で~」
彼女が最後の挨拶を終えた時、スタプリは本当にひと段落してしまうのだ。
途中成瀬さんは、感極まり「本当はこんな事いうつもりじゃなかったけど「終わりたくない。ずっとプリキュアやっていたい」みたいな事も言っていた(と思う。もうその辺りは自分も涙でぐちゃぐちゃだったので覚えていない。)
成瀬さんの話が終わったら本当にスタプリが終わってしまう。ひと段落してしまう。成瀬さんもそれが解っているから、話を終えられない。観客もそれが解っているから、ずっと成瀬さんに「ありがとう」を繰り返す。ステージに立っている7人に「ありがとう」を繰り返す。
すっとプリキュアに憧れ、プリキュアになりたいと願い、イマジネーションを膨らませ、夢を叶え実際にプリキュアになるという、まさにスタプリを象徴する彼女の最後の挨拶。
途中こらえきれず泣いてしまい、小松未可子さんがティッシュを渡す。
「時間大丈夫かなー?」と気を遣う成瀬さん。大丈夫だよと返す周りのみんな。優しい世界。
彼女はしゃべり続ける。
「永遠にプリキュアでいたい」
彼女はしゃべり続ける。
それでも意を決し彼女は最後の言葉を話す。
終わってほしくないけど、終わらせないといけない。
スタプリの座長として最後の務め。スタプリの想いをすべて詰め込んだ最後の挨拶を、ひときわ大きな声で発したのです。
それが何だったのか僕は正直覚えていない。だってもう、僕も、僕の周りも、前の席も後ろの席も涙でぐしゃぐしゃだったから。
とにかく最後、僕も「ありがとう」と言った事だけは覚えている。
ラスト、7人全員で歌うオープニングソング「キラリ☆彡スター☆トゥインクルプリキュア」は、全員が泣きながら笑っている様に見えた。そう。スター☆トゥインクルプリキュアは笑顔で終わる作品なのだ。
「ムゲンダイイマジネーション」の大合唱。心からの「ありがとう」
頭上に星が舞う。幻覚じゃない。確かに星が舞っていた。
「キラリ!君もスター☆」
「トゥインクル!!!」
「プリキュア」
たくさんの人の想いが詰まった最後の「トゥインクル!」の大合唱。
頭上に舞う金銀色とりどりのテープ。
笑顔で歌い終わる7人。
1人1人、声優さんとプリキュアが手をつないで夢の様なステージから退場していく。
上坂すみれさんの、小松未可子さんの、安野希世乃さんの、小原好美さんの「ありがとう」に対し「ありがとう」を返すファンたち。
そして、最後の最後は、成瀬瑛美とキュアスター。
みんなに手を振り、キュアスターと一緒にあいさつをする成瀬瑛美。
そして最後にとびっきりの笑顔でポーズを決めて。
手をつなぎながら中央奥へと還っていく。
3時間を越える公演は幕を閉じました。
成瀬瑛美はキュアスターだった。
比喩でも抽象表現でもない。
成瀬瑛美は星名ひかるだった。キュアスターだった。
成瀬瑛美がキュアスターで本当に良かった。
そして
これからも成瀬瑛美はずっとキュアスターなのです。
「個人個人は別の生き方をしていても、私たちはスタプリという星座で繋がっている」
そんな事をいっていました。
「さようなら」じゃなくて「またね」で終わったスタプリ感謝祭。
その言葉を胸に僕たちは日常に帰っていくのです。
イマジネーションの力を信じて。いつかの再開を信じて。
スタプリ感謝祭、最高のイベントでした。
スター☆トゥインクルプリキュアに出会えて本当に良かった。
成瀬瑛美がキュアスターで本当に良かった。
宇宙いっぱい、ありがとう。
(おわり)
このスター☆トゥインクルプリキュア感謝祭は2020年7月に映像が発売されます。
あの伝説の朗読劇をぜひ、ご家庭で。
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