(映画プリキュアドリームスターズ!雑感です。ネタバレしない様に気を付けていますが、一部内容に触れています。)
あなたがプリキュアファンであるならば、
初めて14人のプリキュアが集合した「プリキュアオールスターズDX」を見た時の、あのトキメキ感。
「うわー!あのキャラとあのキャラが一緒にいる!」
「あのキャラとあのキャラが一緒に戦ってる!」
もう「同じ画面に違う世界のキャラが一緒にいるという事実が」楽しかった、
あの時の気持ちを再度、思い出させてくれます。
あなたがもし、プリキュアオールスター映画を観たことないようであれば、
「子供の頃、初めてチョコパフェを食べた時の、あのトキメキ感。」
ホイップクリームがあって、アイスがあって、イチゴもあって。
ワクワクが次から次へ押し寄せてくる、そんな気持ち。
「映画プリキュアドリームスターズ!」は、
そんなトキメキがたくさん詰まった、正に「春のお祭り」にふさわしい映画でした。
初日に観て来ました
2017年3月18日公開初日。
名古屋エアポートウォークミッドランドシネマ、10:05分開始の初回上映。
「スクリーン10」は157席の2番目に大きな箱。
下の子供と一緒に観に行きました。
観客は70%位で、親子連れ98%、大きなお友達2%、といった所だったでしょうか。
毎年、公開初日の1回目を観に行っていますが、今年はちょっと初日1回目にしては観客は少ない感じで、何よりも「大きなお友達」がほとんどいませんでした。(例年であれば10~20人位は大きなお友達がいるのですが、今回は確認できただけで3人しかいませんでした。)
今年は名古屋でも舞台挨拶公演あるので、みんなそっちに行くのかな?
子どもを笑顔にしようという声が聞こえてくる。
で、「映画プリキュアドリームスターズ!」です。
とにかく、楽しい映画にしよう、観に来てくれた子供を笑顔にしよう、という製作者様の心の声が聞こえてくるような、本当に楽しい映画でした。
そしてそれは、映画が終了して劇場から出てくる「子供達の笑顔」で実現していました。
最後のエンドロールの時に2つ隣の女の子が「さくらちゃんがさーー」「トゥインクルとミラクルがキックしてさー」と一所懸命ママに話しかけては「静かにして!」と言われていたのが印象的でした。どうしてもすぐにママに伝えたかったのでしょうね。
きっと、帰り道でママとたくさんプリキュアのお話をしたのでしょう。こういった思い出は大人になっても忘れないのだと思います。
前作では44人まで膨れ上がったプリキュアを、近年3作の12人に絞って、歴代オールスターズ映画の中でも最少人数になりました。
おかげで、一人一人にきちんと役割が与えられ、きちんと楽しく物語が展開された点は良かったと思います。
うん。12人に絞ったのは大正解だと思います(各媒体のインタビューなんかみると当初は宮本監督は50人全員出したかったみたいですけどね)
途中、13人でスイーツとカレーを食べるシーンは、まさにこれぞ「ドリームスターズ」真骨頂といった感じでした。
楽しい絵が満載で、各シリーズのキャラがそれぞれのキャラに絡み「そうそう、オールスターズってこういうの観たかったんだよね」とニヤニヤできました。
50人プリキュアがいたらこういったシーンは絶対に無理だったでしょうね。
そういう意味でも12人に絞ったことは子供にもわかりやすく、大正解だったのだと思います。
映像が綺麗
あと、とにかく映像が綺麗でした。。
しょっぱなから、和テイストの舞台装置上で、3Dのキャラクターがグルングルン動きまくります。
2Dも3Dも綺麗に描かれ、3Dと2Dが交互に展開されるのにもかかわらず、キャラクターに関して一切の違和感を感じなかったのは、さすがにスゴイと思います。
最初の方のシーンで、桜の木が下からパンする所、広角レンズで撮ったような映像になっていたり所々に映像に関するこだわりを感じました。
あ、金魚モチーフのサクラのデザインが本当にかわいいですよね。
ストーリーについて
ストーリーに関してはネタバレになるので深い言及は避けますが、感動するシーン、楽しいシーンが各所に散りばめられ、飽きない作りになっています。
ただ「サクラとシズク」、「サクラといちか」のお話主体なので他のプリキュアは控えめではあります。人数絞ったのであれば、もう少し他のプリキュアにも活躍の場があると嬉しかったのですけどね。
サクラとシズクの友情物語を軸にしつつも、「子供と同じ目線で見てみよう」と我々大人に訴えかけているようでもあり、ちょっとドキッとしました。
大人でも考えさせられる様な深いストーリーでありながらも、第一に考えているのは子供の事。シリアスな戦闘シーンでもシリアスになりすぎず、要所で面白いセリフなどを入れてきます。やっぱり子供第一なのですよね。
でも、おじさんも1回泣きそうになりました。
敵キャラがキモい?
ただ、1点。
今回の大ボスである鴉天狗が、かなり「生理的に怖かった」のですよね。
南海キャンディーズの山ちゃんの演技が素晴らしすぎたのか「キモい風の演技」ではなく「本当にキモい」のです。(2つ隣にいた子供と後ろの席の女の子もかなり怖がっていました。)
この鴉天狗、途中観客に向かってメタ的なセリフを言ったり、コミカルな演技もあったのですが大人から観ても、歴代でもトップクラスの生理的な怖さが(自分だけ?)、子供の目にどう映ったのかちょっと心配ではあります。(杞憂に終わるのでしょうけどね)
ただ物理的な怖さではなく、精神的な怖さの演出はうまくいったものと思われます。
しかしその分「戦闘シーンを楽しくしよう」という製作者サイドの心は十分に感じられました。
何度かある戦闘シーンはどれもアイデアに溢れ、単調ではありません。
特にオールスター映画にありがちだった、ラストの戦闘シーンが「プリキュアがパンチだキックだでガチで殴り合った後、最後はビームでとどめ」といった単調さは無く、ホイップエネルギーを使ったトリッキーな戦闘で、子どもに楽しんでもらおう、という意図が感じられ、面白かったです。
これはきっとお子様も喜ぶだろうな、と思います。
(実際、要所要所で子供達の笑い声が聞こえていました。)
あ、キュアマリン無き後の戦闘シーンの道化役はキュアフローラなのかな・・?
ミラクルライトの使い方
あと、今回ミラクルライトの使い方が少しだけ変わって面白かったですよね。
「そうきたか」と感心しました。
なるほど、小さい子供にとって「パパやママと映画を観に行く」という事は「イベント」であり「映画館でしか体験できない」今回のミラクルライトの使い方はきっと思い出に残るものなのでしょう。
実際の所、例年だとミラクルライトを振るタイミングがなかなか判らずに、ライトを点けては消し、点けては消し、とまどっている子供も多かったのですが、今年は、例年以上にミラクルライトでの応援がしっかりとしていました。
ピンクの光の乱舞が、本当に綺麗だったのです。
エンディングについて
エンディングの3Dのダンスが無くなったのはちょっとだけ残念でした。あの壮観なダンスエンディングを観ると「ああ、今年もプリキュアオールスター映画楽しかったなあ・・」と実感できたのですが、さすがに本編であれだけ3Dキャラを動かすとその余裕はなかったのでしょうね・。仕方がないです。
しかし今回のエンディングも当然、素晴らしかったです。
シリーズを越えたキャラクターの絡みが観られるので(特にあきらさんとことはちゃんの絡みに注目。)それは楽しかったですけどね。
引用:映画ドリームスターズ パンフレット
劇場で観て欲しい。
プリキュア映画で「生まれてはじめて映画館に足を運ぶ」小さなお子様も多いと思います。そんな子供の原体験としての「映画」。
今回もパパママと一緒に手をつないで劇場に入っていくお子様が沢山いました。
子どもの頃、初めて見た映画ってなかなか忘れないものなのですよね。
ウチの長女もいまだにフレッシュプリキュアを初めて映画館に行った時の話をしますもの。
きっときっと、そんな子供たちに「映画プリキュアドリームスターズ!」は素晴らしい体験を提供してくれたものと思います。
後、
今回の映画は、大きなお友達も劇場で見たほうが絶対に良いと思います。
ブルーレイの発売を待てばいいや、とかレンタルで済まそう、なんて思わないでください。(逆にブルーレイで見ると多分「劇場で見とけばよかったーー」って思うような仕掛けがあります。)
「映画を劇場で観る」という行為を含めての「映画プリキュアドリームスターズ!」になっています。
自分も劇場に足を運んで、本当に良かった。
そう思わせるに充分な、素晴らしい映画でした。
楽しい時間を有難うございました。
(おわり)