プリキュアの数字ブログ

プリキュアの数字に関するブログです。数字以外の事も半分くらい。数字に公平であるため広告、アフィリエイトは導入していません。価格.comのプリキュアおもちゃ特集ページ書きました。

「魔法つかいプリキュア!」を取り巻いた状況と、僕が思う事と、少しの感想。

魔法つかいプリキュア! ドラマ&キャラクターソングアルバム ドリーム☆アーチ


(プリキュアの感想記事ではありません。)   

魔法つかいプリキュア!が最終回を迎えました。

感想や評価なんかは、専門のブログ様に任せるとして、ちょっと「魔法つかいプリキュア!」で、自分の思った事を書いていきたいと思います。


(魔法つかいプリキュア!の「各種売り上げ」「視聴率」などの数字のまとめはデータが出揃ってから書きたいと思います(2月中旬位?)

参考:昨年「Go! プリンセスプリキュア」の残した数字 - プリキュアの数字ブログ

自分のスタンス

その前に自分のスタンスをはっきりとさせるならば、自分は魔法つかいプリキュア!は「かなり楽しめました」

そりゃあ「100%全肯定」かというとそうでは無く不満な点もたくさん有るにはあるのですけど(まあ不満な点やストーリーの矛盾なんて毎年ありますし)、それは置いておいて「3人のプリキュアの日常を守る戦い」を描ききったのはお見事だと思います。
最終回1話前、49話の再会シーンはもちろんの事、最終回の構成が素晴らしく「魔法のたのしさ」「人と人が出会う事の大切さ」「人と人とのつながり」といった1年を通して伝えたかった事がきちんと描かれ、1年間見てきて良かったな、って思いました。

そこで、少しだけこの1年間「魔法つかいプリキュア!」を取り巻いていた状況について書いておきたいと思います。

映画は好調、グッズ売り上げも好調。

まずは、肝心の子供人気はどうだったのか?という所を数字から見てみます。

子供人気の需要な指標である(と自分が思っている)映画は、「奇跡の変身!キュアモフルン!」が好調。前売りは昨対423%*1、初動2日の興行収入も昨対126%の1.62億*2。最終的な興行収入も7億前後になりそうです。(昨年の「Go!プリンセスプリキュア Go!Go!豪華3本立て」の5.6億円を上回ることは確実です。)
お金を払ってまで劇場に足を運ぶお子様(と保護者)は、昨年よりも戻ってきています。

また、東映アニメの版権売り上げ*3、バンダイのトイホビー売り上げ*4、玩具業界誌の情報*5等をみても、玩具や関連グッズの売り上げも昨年よりも好調の様です。(モフルン、リンクルスマホンが売れている「だけ」、という意見も散見されますが、1つ2つの商品で大勢が変わるほど甘い世界ではないと思いますし、1つの商品が売れるのがどれほどすごい事なのかを考えると「だけ」とは言えません。)


また、バンダイが行っている子供アンケートの数字も総合では昨年よりも上がっていること*6などより、
魔法つかいプリキュア!は昨年よりも、子供は戻ってきているのは確実だと思われます。(そのあたりは、後日数字をまとめた記事で詳しく触れたいと思います)

おそらく妖怪ウォッチ、アイカツ!などがピークアウトしたことも等も要因の一つだと思われますが、とにかく子供人気は昨年よりも高い様です。

子供は戻ってきた。
子供は楽しんでいた。

それだけで内容はどうあれ、子供向けアニメである「プリキュア」としての評価としては何もいう事はありません。
商品としての役目を綺麗に果たしたものと思われます。

従って、以後は蛇足です。

えーと。
「魔法つかいプリキュア!」は大きなお友達には評価は真っ二つに割れていたようです。 

 

取り巻かれた状況

どうも主にネット界隈の自分の観測範囲では、例年と状況が違っていた様に感じられます。

プリキュアの感想を書いているブログや某掲示板なども、放送後に毎週、数件は巡回しているのですけど、例年のプリキュア感想よりも、ちょっとキツい表現をされている所が多かった様に感じられます。
(もちろん、肯定的な意見もたくさんあるのですけどね)

 アンチスレが隆盛

一時期の隆盛は全くなくなってしまった「2ちゃんねる」ですが一応まだ生きています。

これは、プリキュアシリーズの「そのシリーズの放送時に進んだ本スレッド数とアンチスレッド数」の比較です。

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数字データおよび本スレ:アンチスレの比率はこんな感じ。

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本スレもようやく100スレを越える程度と少なく、一時期の2ちゃんねるでのプリキュアの勢いは本当になくなってきた事を実感しますが、その中でもアンチスレッドは昨年の2倍を越え、(本スレッド:アンチスレッド)の比率でみると、スイートプリキュアに次いで2番目に多い結果となっています。
相対的にみて、アンチスレッドが隆盛していた、といっても良いと思われます。
(しかしスイートプリキュアの当時のアンチスレは本当に異常でしたね)

 

作品データベースの評価

アニメなどの評価情報サイト「作品データベース」においても「魔法つかいプリキュア!」の評価もちょっと低めに出ていました。

作品データベース: アニメ、漫画、映画等の評価・情報DB

ここでは最高(3)、とてもよい(2)、よい(1)、普通(0)、悪い(-1)、とても悪い(-2)、最悪(-3)の7段階で作品を投稿により評価しています。

下記グラフは2016年1月29日9:00のデータです。

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魔法つかいプリキュア!: 感想(評価/レビュー)[アニメ]

 

ただ、このサイトは魔法つかいプリキュアの評価欄に「良い点:なし 悪い点:全部 、で最悪の評価-3点。」みたいなレビューが実際に書かれている場所なので、どこまで信用するべきかは個々の判断にお任せします。(もっとn数が集まればそれなりになるのでしょうけど、いかんせんプリキュアのレビューは数が少ないですよね。特に魔法つかいプリキュアはサンプル数が少なく「過去の評価に流されるレビュー」が多い感じがします。主観ですけど)
あくまで、これは参考としてですね。

しかし自分の感覚だけではなく、データでみても、やはりちょっとアンチ寄りの意見が多く見られていた様です。

「どんな批判が起きていたか」は調べれば出てくるのでここでは書きません。

思い出したこと

(ちょっと話ズレます)

この状況を見て、自分が思い出したのが、古い話題で申し訳ないのですけど、同じ子供向けアニメーションとしての「クレヨンしんちゃん」の映画です。

2001年「おとな帝国の逆襲」2002年「アッパレ戦国大合戦」と2年続けて「感動する内容」で、ここから見始めた大人が「クレヨンしんちゃんの映画は子供向けではなく大人の鑑賞に堪えうるものである!」と思っちゃった人が多数いたのですよね。そして翌年2003年に監督を原恵一さんから水島努さんに変え、感動一切なし、ギャグに全振りした、「ある意味子供向け」に特化した「栄光のヤキニクロード」が公開されました。

自分の記憶が確かならば、その時も評価が真っ二つに割れ、「今作は感動できない」「ストーリーがだめ」「内容が薄い」「キャラの行動が不自然」といった否定的な意見が多く見られました。
どうも、クレヨンしんちゃんの映画はこうあるべきだ、という一部の人の思い込みがそうさせていたようです。(今は再評価されてヤキニクロードも高い評価になっていますね)

でも当時その「栄光のヤキニクロード」があったからこそ感動一直線では無い多様性が生まれ、それが後年の名作「逆襲のロボとーちゃん」や「爆睡!ユメミーワールド大突撃」へと繋がっていったものと思います。(個人的感想ですよ)

あと、「魔法つかいプリキュア!」はガンダムシリーズにおける「Gガンダム」みたいなものじゃないのかな、とも思います。

 

それぞれに思うプリキュアの型

プリキュアってアニメは業が深いのです。
自分も含め、それぞれ一人ひとりが思いこんでいる「型」ってものがあるのです。
それは長年の蓄積から来るものだったり、初めて見たプリキュアが大きく影響したりで様々な要因があるのですが、

例えば、

  • 主人公は1話では頼りないけど、色々な経験を経て最終話では成長「しなくてはならない。」
  • プリキュアは品行方正で「ないといけない」
  • 敵キャラクターサイドもドラマが「ないといけない」
  • 中盤追加されるキャラはドラマティックに加入「しないといけない」
  • ラスボスは強大で、何度も立ち上がり最後はみんなの力を合わせて倒さなければ「いけない」
  • 戦闘シーンがヌルヌル動かなくては「いけない」
  • プリキュアは大人の鑑賞に堪えうる内容でないと「いけない」

自分も含め、皆が自分も思い描く色々な「いけない」に縛られている感じがするのですよね。
自分は「プリキュアは子供最優先で、大人は外野からみないと「いけない」」っていう呪縛に縛られています)

実はそんな縛りはどこにもなく、むしろ「ふたりはプリキュア」の鷲尾プロデューサーが「女の子に受け入れてもらえれば、なんだって良い」といっている位なのですけどね。

鷲尾Pのインタビューを引用します。 

ーーこれからの「プリキュア」に期待することを教えて下さい。

「毎年毎年、女の子が、きちんと熱狂して観てくれる作品であること」ですね。女の子に熱狂してもらえるなら、変身しなくてもいいし、アクションをしなくてもいい。男の子が仲間に加わってもいいとまで思っています。
女の子がちゃんと喜んでくれる作品になっているなら「プリキュア」も変わっていってもいいと思うんです。
絶対に守らなくてはいけないのが「女の子たちに受け入れてもらえる作品であること」。
これさえ守っていれば、どう変わっていっても、それは「プリキュア」なんだと思っています。それだけがこだわりです。

(上北ふたご著 ふたりはプリキュアMaxHeart プリキュアコレクション 巻末インタビューより引用)

 

「プリキュアは女の子が熱狂さえしていれば、なんだって良い」。
これが今の自分に一番しっくりとくる答えでした。

最近の傾向を考えると、
おそらく今後もプリキュアは自分の思う「型」から外れたものがたくさん出てきます。それは確実に。

僕も今後、

「こんなのプリキュアじゃねえ」
「ストーリー破綻してねえか」
「この表現は教育に悪い」
、って思っちゃう事があると思います。

そしてそうなっても、それは製作者側が考えに考え最善の手を尽くしている結果だと思うので、
「今年のプリキュアと、どう1年間付き合っていくか。」
そう思った時に鷲尾プロデューサーの言葉を思い出したいな、って思っています。

 

プリキュアファンって不思議なもので、

深夜アニメは自分の肌に合わなければ1話切りとかするのですけど、
プリキュアは自分の肌に合わなくても何故か文句を言いながらも1年間見続ける、という「業」を背負っている人が多いのです。

僕もそうなのですけど、気に入らなければ観るのやめればよいのに、文句を言いながらも見ちゃうのですよね。本当、何故なのでしょうね・・。

自分も含めて「とりあえず、なにがあろうが、不満があっても、1年間、絶対に観る」人が多いのですよね、プリキュア。

だから、自分は見る際のスタンスを数種類用意して、1~3話くらい見た位で、
「今作は理屈で考えて物語を楽しもう」
とか
「今作は、とにかくキャラを楽しもう」
とか、見るスタンスを作品毎に変えるようにしています。

そうすればね。楽しく1年を過ごすことができるのですよ。

しかし思うのです。
僕は4~6歳女児向けのアニメーションに、こんなにも熱くなれる大人たちが本当に好きなのだな、と。

(こういう「どっちつかず」なスタンスが一番嫌われることを承知で書いています。)

 

魔法つかいプリキュア ボーカルベストアルバム 手のひらのおくりもの

とはいえ 

 とはいえ、すべての創作物は世に出た瞬間、平等に評価されるべきではあります。
たとえ、それが女児向けアニメーションであれ、きちんと向き合って評価することが製作者に対する礼儀であろうとも思います。

自分が何を感じ、何を考えたのかを表現することは誰にも止められませんし、
何をいっても批判されるべきではないと思います(もちろん法律違反にならない範囲ですけど)

だから、
「自分はこう思った」
「自分はこう思わない」
「自分は好きである」
「自分は嫌いである」

褒めようが批判だろうが
なんだって言って良いと思うのです。



だから、やっぱり僕は言います。

僕は「魔法つかいプリキュア!」が、大好きです。

色んな人の色んな思いの詰まった
「魔法つかいプリキュア!」が大好きです。

映画館で見た、小さな子供の笑顔と、幸せそうなパパママの笑顔。
沢山の家族をきっと幸せにしたであろう
「魔法つかいプリキュア!」が大好きです。

大きなお友達と沢山語り合えた、
「魔法つかいプリキュア!」が大好きです。

だから。

それが終わっちゃったのは
ものすごく寂しいな、って思っています。

 

(おわり)