プリキュアの数字ブログ

プリキュアの数字に関するブログです。数字以外の事も半分くらい。数字に公平であるため広告、アフィリエイトは導入していません。価格.comのプリキュアおもちゃ特集ページ書きました。

日5アニメ枠、鉄血のオルフェンズで終了。プリキュアはニチアサ枠維持大丈夫?

毎日放送制作のTBS系日曜夕方5時アニメ(通称「日5」)の枠が「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」2期をもって、2017年4月に終了しました。 

この枠は2008年4月から2017年4月までの9年間にわたりアニメ放送の枠を維持していました。(その前の土曜日6時を入れると24年にも渡る枠でした。)

鉄血のオルフェンズが直接の原因かどうかは判りませんけど、
この日5アニメ枠終了の要因に「世帯視聴率の低下があるのでは?」と思いちょっと調べました。

下のグラフは、日5枠アニメの世帯視聴率(関東地区)の推移です。 
(世帯視聴率の調査方法:テレビ視聴率(特定の番組) | 調べ方案内 | 国立国会図書館

毎日放送制作 日曜夕方5時アニメの世帯視聴率の推移

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この枠では、2008年のコードギアスR2から2017年鉄血のオルフェンズ2期までの18作品が9年に渡り放送されていました。
関東の世帯視聴率(以後視聴率)のピークは機動戦士ガンダムOO(2期)の4.47%。
その後はだいたい3%±1%程度で推移してきました。

(こんな事言うと誤解をうけるかもですが、いわゆる「女性に人気のアニメ」の方が世帯視聴率が高かった傾向ですよね。銀河美少年は女性受けしなかったのかなあ・・自分大好きだったのになあ・・)

あと、分割4クール(半年放送して、間を開けてまた半年放送する)は、どの作品も後半2クールが視聴率を落としていますね。この方式、おそらく予算の確保のためには必要なのでしょうけど、視聴率的には良くない感じです。

2016年10月から「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(1期)が放送されましたが、視聴率的には振るわず(2.25%)、その後に「僕のヒーローアカデミア(3ヶ月間放送;2.45%)」「アルスラーン戦記風塵乱舞(2ヶ月放送;2.15%)」「七つの大罪 聖戦の予兆(2ヶ月放送;1.85%)」と比較的での短期放送の後、

鉄血のオルフェンズの2期が放送されましたが、ネット上では話題になるものの、視聴率的には振るわず、最終的に2%を切る結果(1.95%)となり、日5のアニメ枠が消滅してしまいました。

もちろん枠の維持に必要なのは視聴率「だけ」ではないと思われますが、鉄血のオルフェンズ(1期)以降、世帯視聴率がずっと2.5%以下だったの「も」日5枠が消滅した1つの要因であるものと思われます。

特に「鉄血のオルフェンズ」はプラモデルなど関連商品の販売が好調、という声も聞こえていただけに、関連商品(プラモデル、ブルーレイ等)の売り上げが良いだけでは、枠の維持が出来なかったことが伺えますね。

プリキュアは大丈夫か?

で、プリキュアです。
(ここ、実はプリキュアのブログなのです)

実は最近、プリキュアも「世帯視聴率」が良くありません。

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ピーク時には7.9%もあった世帯視聴率は、「魔法つかいプリキュア!」において3.2%と3%台に突入しました。このままの推移でいくと2017年「キラキラ☆プリキュアアラモード!」も3%台は確実、下手をすると2%台になる可能性もあります。
(別にこれは批判している訳ではなく、傾向分析するとそうなる可能性が高いのです)


プリキュアの場合、日5などとは違い、大人の視聴数が数字のほとんどを左右する「世帯視聴率」はそれほど重要でなく、どちらかと言えばKIDS視聴率の方が重要ではあるとは思います。
その辺りは過去記事にあります。

prehyou2015.hatenablog.com

 
更にプリキュアの場合は「おもちゃの売り上げ」「関連商品の売り上げ」が良ければ、プリキュアというアニメーション自体は安泰ではあると思います。

しかし、このプラモデル等関連商品が売れていた鉄血のオルフェンズの日5ですらアニメ枠が終了する事例を見る限り、プリキュアだって安泰では無いものと思われます。

 

日5とプリキュアの世帯視聴率の推移について

そこで視聴率の傾向を見るために、前述の日5の視聴率と比較して、同じ期間で集計したプリキュアの視聴率の動向を見てみました。

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日曜5時アニメの放送期間に合わせて、プリキュアの視聴率を再集計しグラフにプロットしました。

これを見ると、
「日5の視聴率減少率」よりも「プリキュアの視聴率減少」の方が減少幅が大きいのです。

前述した様に、プリキュアの「世帯視聴率」はそれほど重要ではありませんし、プリキュアの世帯視聴率は仮面ライダーの視聴率に左右される傾向にある等、不確定な要因は多く、一概に日5との比較は出来ませんが、事実として、アニメ枠が終了した「日5」よりも、プリキュアの方が世帯視聴率の減少率が大きい事は踏まえておいた方が良いと思います。

バンダイ的にはおもちゃが売れれば良いのですし、講談社的にはたのしい幼稚園などの雑誌が売れればよいのです。

東映アニメーションの株主総会での発言や、バンダイのトップの業界紙のインタビューなどを見る限りプリキュアシリーズ自体が「終了」する可能性は限りなく低いものと思われます。そこは安心して良いと思います。

ただ、自分はプリキュアが好きなあまり、良い情報ばかり選択して「まだ大丈夫だろう」と思ってしまう、いわゆる「正常性バイアス」が無意識的に働いていると思うのです。

アンパンマンの放送枠変更でもバンダイの売り上げは変わらなかった。

プリキュアがこの先、さらに小さな子供向けとしてシフトしていった場合、競合してくるのが「それいけ!アンパンマン」であると思われます。

その「それいけ!アンパンマン」は2016年4月に金曜日の夕方から金曜日の午前中に放送日が変更になりました。

アンパンマン、新しい放送枠よ! 「それいけ!アンパンマン」の放送時間が初めて午前に変更 - ねとらぼ

 日本テレビのアニメ「それいけ!アンパンマン」の放送時間が4月より、現在の毎週金曜16時20分~16時50分から、毎週金曜10時55分~11時25分に変更されます。1988年の放送開始からずっと夕方の時間帯に放送されてきましたが、午前中の放送は今回初となります。

2016年3月期の「それいけ!アンパンマン」のバンダイのグループ全体の売り上げは94億。対しプリキュアは67億。*1

2017年3月期の計画値はアンパンマンが92億。プリキュアは75億です。*2

動向見る限り、ほぼ計画値の通りに着地するでしょう。
つまり「アンパンマン」は、TV放送の時間枠変更によっても、バンダイの関連商品売り上げに影響を及ぼさなかったのです。

当然アンパンマンとプリキュアはビジネスモデルも違いますし、さらに言うなれば枠の移動と関連商品の売り上げを同列に語るのはナンセンスであることは十分に承知しています。

しかし、様々な情報を見てみると、プリキュアシリーズ自体が終わる事は無いにしろ「ニチアサではなくなる日」が来る可能性は視野に入れておく必要はあるのかな、と思い始めています。

 

(おわり)