ちょっと、とある調べものをしていた時に気づいたのですが、
「たのしい幼稚園」の表紙、昔のものの方が「プリキュアが描かれている事」が多いような気がしたのですよね。
こんな感じです。
昔の「たの幼」の方が、表紙のプリキュアが大きく表示されている気がします。
そう思うと、いてもたってもいられなくなるので、
本当にそうなのか、ちょっと調べてみました。
(調査方法)
・「たのしい幼稚園」の表紙画像を取得し「全ピクセル」から「プリキュアの表示ピクセル」の割合を調べました。
対象:2006年5月号~2017年2月号の全130冊分。
実際にはこんな感じです。
例えば、2009年4月号は、
総ピクセル:20000px
プリキュアのピクセル:58357px
この号の表紙全体におけるプリキュアの割合は29.1%でした。
これを「130冊分のたの幼」全て取得しました。
たのしい幼稚園の表紙におけるプリキュア率
ちなみに一番「プリキュア率」が高かった表紙は
2010年10月号で、プリキュア率47.3%
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/81wD1u14YDL.jpg
表紙の約半分をプリキュアが占めていました。
逆に一番プリキュア率の低かった表紙は、
2006年7月号で、8.3%
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61QBTXAHYQL.jpg
この頃はまだ、戦隊、ライダーも大きく扱われていました。
で、
130冊全てのデータを並べるとこうなりました。
横軸が年月、
縦軸が表紙のプリキュア率です。
スプラッシュスター~プリキュア5GoGo!までは10~20%前後だったプリキュア表紙率ですが、
2009年「フレッシュプリキュア!」でプリキュア率が急激に上がっていき、
ピークは2010年「ハートキャッチプリキュア!」でした。
この頃は表紙の30~40%はプリキュアの絵が占めていました。
しかし「スイートプリキュア♪」から表紙におけるプリキュア率が下がっていきます。
何故、ハートキャッチを境にプリキュアの表紙率が下がっていったのかはわかりませんが、プリキュアの代わりに表紙を占めるようになったのが「ふろく」の写真である事が何か関係あるのかもしれません)
それでですね。
このグラフを見ていて思ったのですが、
どうもこのグラフ推移が、
「バンダイのトイホビー売り上げ」と相関している感じがするのですよね。
バンダイトイホビーとの相関について
そこで「たのしい幼稚園表紙のプリキュア率」の「年別の平均」を取り、
バンダイナムコのトイホビー売り上げ(1~12月)のデータを重ねました。
グラフにするとこんな感じです。
相関係数は0.79。*1
強い相関が見られました。
「たのしい幼稚園の表紙プリキュア率」と「バンダイのトイホビー売り上げ」には相関がありそうな感じです。
しかしよく考えると「表紙のプリキュア率」だけでは不十分ではないかと思われます。
「たのしい幼稚園」の発行部数も考慮に入れないと、プリキュアの露出率として正しい数字にならないと思われます。
そこで、印刷証明付きの発行部数を一般社団法人 日本雑誌協会のHPより取得し、
「たのしい幼稚園」の年間の発行部数の平均をとりました。
そして、
たのしい幼稚園における「プリキュア露出係数」として次式を仮定しました。
(式)
「プリキュア露出係数(C)」
=「たのしい幼稚園の発行部数(A)」×「表紙のプリキュア率(B)」
結果こうなりました。
この、たの幼における「プリキュア露出係数」と、バンダイのトイホビー売り上げ(1~12月)をグラフにするとこんな感じになります。
相関係数は、0.94とかなり高い相関がみられました。
散布図に展開するとこんな感じです。
横軸が「プリキュア露出率」
縦軸が「バンダイトイホビー売り上げ」
つまり
「たのしい幼稚園の表紙のプリキュア率 × 発行部数」と、「バンダイのプリキュア関連商品の売り上げ」には強い相関があることがわかりました。
また、この相関図から、回帰式が得られました。
y=0.0014x+36.978
y:バンダイトイホビー売り上げ(億円)
x:たのしい幼稚園の表紙プリキュア露出率×発行部数
ここから「キラキラ☆プリキュアアラモード」のトイホビー売り上げが予測できます。ただし1冊のみのデータですので、あくまで参考程度です。
「たのしい幼稚園」の表紙が「キラキラ☆プリキュアアラモード」になったのは2017年3月号からです。
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/A1rdiitdDVL.jpg
この2017年3月号の表紙プリキュア率は22.8%でした。
たのしい幼稚園の発行部数を、仮に2016年水準の15万部だとすると、
y=0.014*(150000×22.8%)+36.78
=84.8億
「キラキラ☆プリキュアアラモード」のトイホビー売り上げは
85億位の売り上げが予測されました。
(・・というのはあくまでただのお遊びなので、本気にしないで下さい。)
相関と因果は違う
ただ、「相関がある」からといって「因果がある」とは限らないので、そこは気を付けないといけません。
「表紙のプリキュア率が高い」と「おもちゃの売り上げが上がる」のか、
「おもちゃの売り上げが良い」と「たのしい幼稚園の表紙に使われやすい」のか、
もしくは「たまたま偶然」なのか。
そのあたりは、更に深く調べていく必要があります。
ただ、言えるのは、
本屋さんで「楽しい幼稚園」をみかけた時に、
「表紙にプリキュアの絵がたくさん描かれている時は、プリキュアが好調な証」であることは言えるのではないでしょうか。
(おわり)
( オマケ)
検証に使用した「たのしい幼稚園」表紙一覧です。
「プリキュアの変遷」を眺めているだけでも楽しいですよね。
*1:一般的に
| r | = 0.7~1 かなり強い相関がある
| r | = 0.4~0.7 やや相関あり
| r | = 0.2~0.4 弱い相関あり
| r | = 0~0.2 ほとんど相関なし