(最近ご無沙汰なので、久しぶりに数字のお話でも)
「スター☆トゥインクルプリキュア」が終わっちゃいました。
「個々人の尊重」を宇宙規模で寓話的に描くスタイルがとても素晴らしい作品でした。ラストのラスト、見ている子どもたちのイマジネーションに託すラストシーンは、プリキュアが子どもたちを信頼している証でもあると思うのです。
スター☆トゥインクルプリキュア。
子供たちはもちろん、たくさんの大人たちにも心に残る作品となったのではないでしょうか。(今回は、そんな大きなお友達のお話です。)
下記グラフは「プリキュアのツイッター実況の参加人数」のグラフです。(実況数ではなく「実況の参加人数」です。
(赤い線がスター☆トゥインクルプリキュア、比較として前3作を載せています。横軸は話数、縦軸はツイッター実況の参加人数です。データはアニメレーダー様より)
プリキュア実況の参加人数
一昨年2018年「HUGっと!プリキュア」(薄い緑の線)は、15周年記念で歴代プリキュアが大集合したり直接的に社会問題を描くスタイルがWEBでも大きく話題になったために(少し過加熱ぎみに)ツイッター実況の参加者も例年より大きく増えていました。
例年の傾向を見るには「HUGっと!」はややオーパーツ気味であまりにも例外だと思われるので、今回は若干後ろ髪をひかれつつ「HUGっと!」を除いて見てみる事としました。
スタプリ実況の特徴
スター☆トゥインクルプリキュアのツイッター実況の特徴として、
「前半は例年よりもややツイッター実況の参加人数が少ない傾向にあったものの、後半に盛りあがりを見せていた傾向」にありました。
(毎年カクンと27~28話あたりでツイート実況人数が減るのは、高校野球中継のため関西民の実況数が減るためです)
「4週の移動平均(1つの点が4週分の平均値)」でみるとその傾向がハッキリとわかります。
赤い太線がスター☆トゥインクルプリキュアの4MAです。
プリキュアツイッター実況参加人数の4週移動平均(4MA)(※HUGっと!除く)
スタプリ(赤い線)は、夏以降の後半戦も実況参加人数を落とすことなく、むしろ増えていっている傾向が伺えます。
補足しておくと「ツイッター実況の参加人数」は話数を重ねるごとに「減っていくのが普通」です。決して「話がツマラナイから減る」とかではなく、特にプリキュアの様な1年ものの場合、通常は単純に時間が経つと自然減していきます。(だから魔法つかい、アラモードも至って正常です)
しかし「スター☆トゥインクルプリキュア」は後半になってもツイッター実況参加人数は減っていないどころか「後半に増加傾向」にありました。
スター☆トゥインクルプリキュアは夏以降の後半戦でオトナたちにかなりの盛りあがりを見せていたのです。
●何が要因だったのか
じゃあ、何が後半戦の「スター☆トゥインクルプリキュア」を盛り上げたかというと、
キーとなっていたのは8月末~9月上旬にかけての
第29話 「ただいまルン☆惑星サマーンのユウウツ」(8/25)
第30話 「ララの想いとAIのキモチ☆」(9/1)
第31話 「守り抜け!最後のプリンセスのペン☆」(9/8)
このあたりの話が大きなお友達の間で大きく盛り上がっていた事が判ります。
羽衣ララが惑星サマーンに帰郷したお話を2週にわたって繰り広げ、AIに頼り過ぎたある種のディストピアや、ララのロケット「AIさん」とプリキュア達の感動的なお話をここで持ってきた事が、大人の視聴者の支持を維持するのに大きく貢献していたものと思われます。
いつかスタプリで描かれるであろう「羽衣ララが惑星サマーンに帰るタイミング」をこの時期に持ってきた事はまさに僥倖だったのです。
その後も秋映画と連動した第36話 「ブルーキャット再び!虹色のココロ☆」、第37話 「UMAで優勝!ハロウィン仮装コンテスト☆」では、ミホッシースターズやカッパードさんなども話題となり、またこの時期は「映画スター☆トゥインクルプリキュア 星のうたに想いをこめて」との連動OP,ED等も実況に大きく影響を与えました。
(このスタプリ映画の素晴らしい出来も、後半戦の盛りあがりに一役買っている部分もありますよね)
更に第40話 「バレちゃった!?2年3組の宇宙人☆」(11/7)は、羽衣ララが宇宙人であることがクラスメイトに知られる事となる「スター☆トゥインクルプリキュア」でもターニングポイントとなる重要なお話でした。
このお話も「ひかるとララ」のあまりの尊さにツイッター実況参加者にも大きく盛り上がり、昨年「HUGっと!プリキュア」の同話数の実況参加人数を越えるなど、大きな盛りあがりを見せる事となりました。
その後プリキュア4人が「トゥインクルイマジネーション」に目覚めるお話群も丁寧に描かれツイッター参加人数を落とす事なく推移します。
(何度も言いますが、決して魔法つかいプリキュア!やキラキラ☆プリキュアアラモードが悪いというわけではなく、スター☆トゥインクルプリキュアが少しおかしな動きをしてるだけです)
1月に入ってからも勢いは止まる事なくツイッター実況の盛りあがりをみせる事となったのです。
スター☆トゥインクルプリキュアの後半戦は、敵組織ノットレイダー側の事情が描かれたり(特にえれなとテンジョウの話を2話連続で行うなど丁寧に描写されました)、ひかるとララの物語の不安観と進展、トゥインクルイマジネーションを巡るお話や、蛇つかい座のプリンセスの謎などを、宇宙という広大なスケール観と、学校や家庭というミニマムな世界観の両輪のバランスをうまくとり、子供はもちろんのこと、大人にとっても目の離せない重要なお話が続きました。
それを決して重く描写する事なく、寓話的にかつ明るく描写していた事も、スタプリの後半戦を盛り上げた1つの要因ではないかと思われます。それはひとえに「キャラクターの強さ」が作り上げたものだと思います。
もちろんスター☆トゥインクルプリキュアの前半戦も素敵なお話がたくさんありました。
自分が一番大好きな第10話 「キラッキラ☆惑星クマリンへようこそ!」や、第18話 「つかめ新連載☆お母さんのまんが道!」等ものすっごい良い回も沢山あります。
その前半戦での積み重ねが、後半戦の盛りあがりに繋がっていったのは言うまでもありません。
スター☆トゥインクルプリキュアのツイッター参加人数は、例年とやや異なった動きとなり、特に後半戦に参加人数を増やし大きな盛りあがりを見せた、というお話でした。
(おわり)