2017年5月10日
バンダイナムコの2017年3月期決算短信が発表されました。
http://www.bandainamco.co.jp/cgi-bin/releases/index.cgi/file/view/5721?entry_id=5237
決算の数字としては、
2016年4月~2017年3月までの1年間で
プリキュアのトイホビー売り上げは75億円でした。
昨年対比で113.6%と、確実にプリキュアの売り上げは回復傾向にあります。
期間としては、2016年4月(魔法つかいプリキュア!)~2017年3月(キラキラ☆プリキュアアラモードの2ヶ月分)の結果ですね。
2014年「ハピネスチャージプリキュア!」の頃に妖怪ウォッチなどの猛攻を受け一時は落ち込んでいたプリキュアのトイホビー売り上げは、ここ3年間で徐々に回復してきています。
数字的にはこうなります。
トイ部門・売上
年度別(4月~翌3月)
2004年度:101億
2005年度:123億( 72 +34+17)
2006年度:*60億(18+15+10+17)
2007年度:105億(17+34+28+26)
2008年度:105億(28+27+20+30)
2009年度:119億(23+34+28+34)
2010年度:125億(32+36+28+29)
2011年度:107億(26+26+22+33)
2012年度:106億(28+29+18+31)
2013年度:*98億(24+25+16+33)
2014年度:*65億(19+17+*9+20)
2015年度:*66億(16+18+10+22 )
2016年度:*75億(16+20+13+26)
作品別(1~12月)
17+18+15+10=*60億 ふたりはプリキュアSplashStar
17+17+34+28=*96億 Yes!プリキュア5
26+28+27+20=101億 Yes!プリキュア5GoGo!
30+23+34+28=115億 フレッシュプリキュア!
34+32+36+28=130億 ハートキャッチプリキュア!
29+26+26+22=103億 スイートプリキュア!
33+28+29+18=108億 スマイルプリキュア
31+24+25+16=*96億 ドキドキプリキュア
33+19+17+*9=*78億 ハピネスチャージプリキュア
20+16+18+10=*64億 Go!プリンセスプリキュア
22+16+20+13=71億 魔法つかいプリキュア
26+ キラキラ☆プリキュアアラモード
(この作品別ってのはプリキュアの放送期間に合わせて1~12月で再集計したものです。従い公式なものではありません)
(トイホビー売り上げは、玩具の他、アパレル、食玩、文具、生活用品等を含みます)
(グラフ)
(年度別トイホビー(4月~翌3月)売上)
企業の決算に基づいた集計です。
(作品別 トイホビー(1~12月)売上げ)
作品の放送期間に合わせて1~12月で集計したものです。(公式な集計ではありません)
(思う事)
とりあえず、プリキュアは回復傾向にあることは間違いないものと思われます。
75億という決算数値は、その表れですよね。
2014年に妖怪ウォッチなどに侵食されて大きな売り上げ減となってからも、一つ一つを確実に積み重ねてきた成果だと思います。
一度落ち込んだ数値を回復させるのは、なかなかに困難な事だと思われますが、さすがのプリキュアブランドは健在でした。
2016年のプリキュア好調の要因としては、「おしゃべり変身モフルン」や「リンクルスマホン」といた大ヒットした玩具が牽引したものと思われますが、トイホビー売り上げは「おもちゃ」だけが売れていても上がる数字では無いのです。
プリキュアの「アパレル」「食玩」「文具」「生活用品」なども、回復してきている傾向にあるものと思われます。
特に「食玩」「ガチャポン」は目に見えて回復してきている感じを受けます。
1つ2つのヒット玩具の存在だけでは売り上げは回復しません。
玩具だけではなく、秋の映画「奇跡の変身!キュアモフルン」も一昨年の興行収入(5.6億)を上回っている(6.7億)事などを見ても2016年の「プリキュア」が子供達に受け入れられていた事は間違いないものと思われます。
懸念事項
ただ、1つ懸念事項としては、
実は今期の「通期見込み」は77億だったのですよね。
つまり、トイホビー売り上げは75億と立派な数値ながらも「計画未達」で終わってしまいました。
これはクリスマスシーズンの数値が悪かったのか、それとも1~3月の数字が期待ほど伸びなかったのかは判りません。
ちょっとそこだけは気になります。
プリキュアは定番IP
今回の決算短信においても
国内においては、「機動戦士ガンダム」シリーズや「仮面ライダー」シリーズ、「スーパー戦隊」シリーズ、「プリキュア」シリーズなどの定番IP商品が好調に推移
http://www.bandainamco.co.jp/cgi-bin/releases/index.cgi/file/view/5720?entry_id=5236
という記述が見られました。
実はちょっと前からこの「定番IP」という言葉は使用されてきているのですが、
バンダイにとってプリキュアは、ガンダムや仮面ライダー、スーパー戦隊と同列の「定番IP」なのです。
この「定番IP」という記述がみられるうちは、プリキュアも比較的安泰ではあるものと思われます(定番IPをバンダイがそう簡単に終わらせるわけありません)
とはいえ、何が起こるかは判りません。
「キラキラ☆プリキュアアラモード」も業界紙などを見る限り、好調なスタートを切っている様です。
夏頃には、次の「仕掛け」も来るでしょうし、今後も推移を見守っていきたいと思います。
(ただ・・・最近のプリキュアのクリスマスシーズンの弱さは何とかしてもらいたいですよね・・)
(おわり)
(関連記事)