プリキュアの数字ブログ

プリキュアの数字に関するブログです。数字以外の事も半分くらい。数字に公平であるため広告、アフィリエイトは導入していません。価格.comのプリキュアおもちゃ特集ページ書きました。

「Go! プリンセスプリキュア」の残した数字

 2015年「Go!プリンセスプリキュア」の残した数字です。
(長いです。13223文字、図表が34枚ございます。)

興味のありそうな分野だけでも見てください。

 

 

(はじめに)

Go!プリンセスプリキュア、とても素晴らしい作品であったと思います。

子供はもちろんのこと、大人も心に響いた人が多かったのではないでしょうか。
しかし自分は感想でその良さを伝えられる技量はありません。
プリキュアの感想は賛否あるかもですが「プロの漫画家さん」が書いているコレが大好きです。Go!プリンセスプリキュア 第50話「はるかな夢へ!Go!プリンセスプリキュア!」感想<359>

 自分が出来るのは、数字をまとめて、置かれていた状況を整理しておくこと位です。

また、ここでは数字をまとめてはいますが、数字は「面白さ」の指標ではありません。

数字は「自分が好きな対象が社会的にどの位置にあり」「どの方向に進んでいるのか」を把握するために必要なものではあるとは思いますが(把握して何になるんだという議論は置いておいて)決して「面白さ」や「勝ち」「負け」の指標ではありません。

 
出てくる数字は個人的に収集しまとめているものです。数字に偽りはございませんが、表グラフは個人作成のもので公式なものではありません。ご了承ください。
(数値のミス等あればご指摘いただければ幸いです)

 

まとめ数字

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結論としては、

「Go!プリンセスプリキュア」は、


こどもに関する数字

KIDS視聴率の回復、秋映画の復調などより昨年「ハピネスチャージプリキュア」よりは、視聴していた子供の数は増加していた模様。ただしそれが玩具、グッズなどの購入には結びつかなかった。

大きなお友達に関する数字

どの数字も昨年ハピネスチャージプリキュアよりも約60~70%に減少。大きなお友達の数は年々減ってきており、ピークの「スマイルプリキュア」比では約50%まで減っている。ただし「濃い」ファンは昨年より増加している。

 

 

こどもに関する数字

バンダイトイホビー売り上げ

トイホビー売り上げ

(トイホビー関連のデータは全てIRライブラリ | IR・投資家情報 | 株式会社バンダイナムコホールディングスを元に作成。)

 

プリキュア玩具のバンダイトイホビー売り上げの数字です。
(トイホビー売上はオモチャだけではなく、食玩、カプセルトイ、アパレル、文具、生活用品なども含みます。)

(グラフ)

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このグラフの数字はバンダイの公式な企業決算(4月~翌3月)ではなく、プリキュアの放送時期に合わせた1月~12月で集計しています。

 

「Go!プリンセスプリキュア」作品別(1~12月)のトイホビー売り上げは
64億円でした。
 昨年「ハピネスチャージプリキュア」の作品別(1~12月)が78億だったので、
マイナス14億、昨年対比82.1%という結果となりました。

これは「ふたりはプリキュアSplash☆Star」の60億に続く、下から2番目の数字になります。

まとめ的にはこうなります。

作品別(1~12月)
17+18+15+10=*60億 ふたりはプリキュアSplashStar
17+17+34+28=*96億 Yes!プリキュア5
26+28+27+20=101億 Yes!プリキュア5GoGo!
30+23+34+28=115億 フレッシュプリキュア!
34+32+36+28=130億 ハートキャッチプリキュア!
29+26+26+22=103億 スイートプリキュア!
33+28+29+18=108億 スマイルプリキュア
31+24+25+16=*96億 ドキドキプリキュア
33+19+17+*9=*78億 ハピネスチャージプリキュア
20+16+18+10=*64億 Go!プリンセスプリキュア ←New!!


バンダイの決算に合わせた集計では、
トイ部門・売上
年度別(4月~翌3月)
2004年度:101億
2005年度:123億( 72 +34+17)
2006年度:*60億(18+15+10+17)
2007年度:105億(17+34+28+26)
2008年度:105億(28+27+20+30)
2009年度:119億(23+34+28+34)
2010年度:125億(32+36+28+29)
2011年度:107億(26+26+22+33)
2012年度:106億(28+29+18+31)
2013年度:*98億(24+25+16+33)
2014年度:* 65億(19+17+*9+20)
2015年度:*  億(16+18+10      )

になります。

2015年は玩具市場自体は好調だったようです。
GfK Japan調べ:2015年の玩具販売動向 基礎玩具および女児玩具が市場を牽引|プレスリリース配信サービス【@Press:アットプレス】

 女児玩具もシルバニアファミリーなどの定番商品、クリエイト系玩具が好調だったようです。

その中でプリキュアのトイホビー売り上げが下がっちゃったのは残念ですね。
女児には「Go!プリンセスプリキュア」は響かなかったのでしょうか・・・

ただし、バンダイのトイホビー売り上げってのは玩具の他、「アパレル、食玩、生活用品、文具、カード、カプセルトイ等を含みます。
実際、業界紙トイジャーナルでも「Go!プリンセスプリキュア」の玩具自体は「前作を上回る結果」という記載もあります。

前作「GO!プリンセスプリキュア」は立ち上げ当初こそ低空飛行がつづいたものの、夏休み商戦をきっかけに復調基調に転じ、年間を通した売り上げでは前作を上回る結果に。

 月間トイジャーナル2016.2 No1264(P009)

これを踏まえるとおそらくですが、
「Go!プリンセスプリキュア」は
「プリンセスパフュームなどメインの玩具自体は昨年以上に売れたけど」
「アパレル、文具、食玩、生活用品、カプセルトイ、カードなどが昨年を下回った」
のではないかと思われます。

個人的な観測範囲では、アパレルと文具の減少が大きいのかな・・と思います。
 

通期計画の推移

緑色の折れ線が「通期計画値」の推移です。
(要は、バンダイが「がんばってこれ位は売るぞ!値」でしょうか)

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「Go!プリンセスプリキュア」は計画値としては、85億でスタートしたものの、3Q発表時点で70億に下方修正されました。
 最近のプリキュアは当初の計画値よりも下方修正されるのが当たり前になってきました。(それもどうかと思いますが)

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最近は5年連続で当初の通期計画よりも下方修正されています。
(5年連続の下方修正でもシリーズ終了が噂レベルでも出ないのはコンテンツ力の強さの賜物なのでしょう。)
1昨年(ハピネスチャージ)の時には、妖怪ウォッチ旋風が年中盤から吹き荒れ、30億という大幅な下方修正を余儀なくされましたが、「Go!プリンセスプリキュア」でも15億の下方修正が行われました。

東映アニメーション国内版権売り上げ

こちらは東映アニメーションの国内版権売り上げの推移です。

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最新IR資料一式|IR資料|IR情報|東映アニメーション株式会社を元に作成

こちらも、東映アニメ決算に合わせた数値(4月~翌3月)の計ではなく、プリキュア放送月の1~12月に合わせて集計しています。

東映アニメの国内版権売り上げ

版権事業:当社制作の作品のキャラクター使用許諾をライセンシー(メーカー等)に与え、キャラクター商品(玩具・衣類・文具・食品等)を展開

事業内容|IR情報|東映アニメーション株式会社

 

2015年1~12月の東映アニメ国内版権売り上げは
6.31億円となりました。(昨年対比74.1%)

これは残念ながら2006年「ふたりはプリキュアSplash☆Star」の7.34億を下回り過去最も低い数値となりました。

国内版権売り上げは、当然関連商品の展開量および売れ行きに左右されるのでしょう。

2015年はアパレル関連、ガチャポン、プライズ関連があまり良くなかったように感じます。(これはバンダイのトイホビー売り上げにも現れていますね)
この辺りにも「妖怪ウォッチ」「ディズニープリンセス」「プリパラ」等の影響が出ていたものと思われます。
おそらく2016年は「ここたま」も入って来て更なる激戦になっていくでしょう。

かつてのブルーオーシャンもだいぶ赤く染まってきているのでしょうか。

 映画興行収入

秋映画「映画Go!プリンセスプリキュア Go!Go!豪華3本立て」(公開2015.10.31~)の興行収入です。

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「映画Go!プリンセスプリキュア Go!Go!豪華3本立て」の最終興行収入は
5.8億円(文化通信社見込み)です。
昨年ハピネスチャージプリキュアの映画が5.3億だったので、昨対109.4%という結果となりました。

かつてプリキュアの映画は9億前後で安定しているコンテンツって言われていたのですがここ2年は5億台が続きます。

初動2日間の数値発表時点では、回帰分析の結果等より6億は上回るものと思っていましたが、週を追うごとに失速していき、最終的には6億を割っちゃいそうですね。

この「初動は好調で、後半が失速」はおそらくですが「ハロウィン」をテーマにした映画であったためだと思わます。
映画公開は10月31日、まさにハロウィンの日だったのですが、
11月に入ってからは、いくら子供向けとはいえ「ハロウィン」をテーマにした映画は選ばれにくかったのでしょう。(世間は11月からはクリスマスムードになりますしね)

それでも昨年「ハピネスチャージプリキュア」の数字を上回る結果を残しました。
プリキュア映画の興行収入は、明確な子供人気のバロメーターだと思います。
そういう面では、秋映画の数値回復は子供人気が回復の指標だといえるのではないでしょうか。

視聴率関連

視聴率データはビデオリサーチ社の発表のもの、および国会図書館HP(テレビ視聴率(特定の番組) | 調べ方案内 | 国立国会図書館)の方法、ネット上の情報等を参照しました。

 

Go!プリンセスプリキュアの視聴率動向です。
世帯視聴率平均(50話) 4.05%
KIDS視聴率平均(50話) 9.90%でした。 

世帯視聴率

1話~50話までの推移データです。(クリックで拡大)
Go!プリは左から3番目です。

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kasumi19732004/20160217/20160217204836_original.png?1455709730

データ:初代~YP5GoGo
データ:フレッシュ~スマイル

 
12月後半から最終回まで、7週連続3%台が出ちゃったり、
ちょっと世帯視聴率的には厳しい戦いが続きました。

 

(世帯視聴率の平均値の推移)

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世帯視聴率はプリキュアシリーズ中で最低値の4.05%でした。
昨年ハピネスチャージプリキュアが4.62%だったので昨年対比で87.7%となりました。
年々、世帯視聴率は下がっていきますね。

分散見るために、箱ヒゲ図にするとこうなります。

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(箱の長さの1.5倍の外は外れ値としました)

Go!プリンセスプリキュアは世帯視聴率の分散も小さく、要は「低い数値で安定していた」ということでしょう。

ただし、

世帯視聴率は、関東地区の世帯構成比からみても数字が「大人」の世帯視聴に左右されます。

日テレ広告ガイド:視聴者って? | テレビCM検討編 | 日テレ 広告ガイド

関東地区においては

関東地区ではテレビを持ち、見ることが出来る4歳以上の住む100人のエリアには、45軒の家があり、そのうち10軒は一人暮らし、あとの35軒は家族で住んでいます。

視聴者って? | テレビCM検討編 | 日テレ 広告ガイド

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関東地区の100人中、KIDS層(男女4~12歳)の割合は8人(女児は4人)しかいません。この割合ではほとんど世帯視聴率に影響を与えません。
むしろ、85%を占める20歳以上の視聴が世帯視聴率に大きな影響を与えます。
子供の視聴、とくに3~6歳女児の視聴がメインの番組は今後も「世帯視聴率」に関しては厳しい戦いが続いていくものと思われます。

プリキュアは、子供と一緒に親が見ることを想定して、親に向けたしっかりとしたお話作りも行っているとの関係者インタビューなどもございます。

しかし、世帯視聴率はあくまで「何世帯」が見ていたか、です。今後一人暮らしの老人世帯が増えれば子供番組の「世帯視聴率」は必然的に下がっていきます。

 要はプリキュアの「世帯視聴率減少」ってのは、リアルタイムでプリキュアを見ている「大人世帯」の減少もしくはリアルタイムでプリキュアを観ている「子供のいる世帯数」の減少であると思います。

(2)将来推計人口でみる50年後の日本|平成25年版高齢社会白書(全体版) - 内閣府

 統計予測でも今後も子供の数は減っていきます。おそらくプリキュアの「世帯視聴率」が今後上昇傾向になることはもう無いものと思われます。(プリキュアがおじいちゃん向け番組に転向しない限りは。)
 

KIDS視聴率

(KIDS視聴率の推移)

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対し、KIDS視聴率は「子供(男女4~12歳)100人中、何人がみていたか?」です。
「Go!プリンセスプリキュア」のKIDS視聴率は9.90%。
昨年ハピネスチャージプリキュアが9.1%だったので、昨年対比108.8%。

ここ2年下がり続けていたものが、ちょっと復活している傾向にあります。
「Go!プリンセスプリキュア」では昨年より子供の視聴自体は増えていたようです。

KIDS視聴率を箱ヒゲ図にするとこうなります。

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KIDS視聴率も分散小さく、全体的に上昇していたようです。中央値と平均値がほぼ同じだったので、そんなにとびぬけて低い/高い数値は無く安定していた様です。


KIDS視聴率ってのは男女4~12歳の数値です。
(プリキュアを観ない男子も入っているし、小学生高学年も入っています)
この数字をプリキュアのターゲット層に単純に換算すると、女児(4~6歳)100人中、40~50人程度が見ているものと推測されます。(個人的な計算ですが)


おとな視聴率

こちらは個人視聴率中、F1~F3(女:20歳~)と、M1~M3(男:20歳~)を合わせた数値の推移です。

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F1~F3、M1~M3を合わせた個人視聴率も「Go!プリンセスプリキュア」で回復しています。
やっぱり「子供がみるようになれば」「その親も一緒に観るようになる」のでしょうか。

この大人層は、グッズ、玩具などの購買決定権を持っています。

この層の視聴率回復は今後のプリキュアのトイホビー売り上げに影響していくものと思われます。

仮面ライダーとの視聴率の相関

(クリックで拡大)

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kasumi19732004/20160217/20160217203532_original.png?1455709187

プリキュアの世帯視聴率は仮面ライダーの世帯視聴率との相関が認められます。
図はプリキュア、仮面ライダー、戦隊モノの世帯視聴率の「52区間移動平均線」です。(1つの点が過去52週分の平均値です)

「Go!プリンセスプリキュア」の傾向としては、仮面ライダーの世帯視聴率が昨年と比べ上がっていくなか、それにつられて上がることはなく逆に、どんどん下がっていってしまいました。
要は、仮面ライダーとの相関がちょっと崩れちゃった感じですね。
かつては仮面ライダーを見たついでに「プリキュア」を観ていた人がプリキュアは見なくなっちゃった、ということなのでしょうか。

 
こちらはKIDS視聴率の52区間移動平均線です。
(クリックで拡大)

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kasumi19732004/20160217/20160217203554_original.png?1455709212

 KIDS視聴率は、もともと世帯視聴率ほど仮面ライダーとの相関が見られません。

しかし2015年のニチアサ関連は、KIDS視聴率に関しては好調だったようですね。

 視聴率データ

 (個人視聴率のデータ) 

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こちらは、個人視聴率の「52区間移動平均線」です。
(クリックで拡大)

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kasumi19732004/20160217/20160217203921_original.png?1455709244

昨年と比較して
F2(女35~49)が急上昇。
M2(男35~49)は途中まで上げていたけど中盤以降で下降、
M1(男20~34),F1(女20~34)は中盤から上昇していたことが判ります。
あと地味にTEEN(男女13~19)も中盤以降上げていました。

 

おもちゃ売り上げランキング

 おもちゃ売り上げランキングは、東京玩具人形協同組合 トイジャーナル編集局が運営するサイト「おもちゃ情報.net」中のランキングデータです。(販売金額のランキングになります。)

2015年 年間ランキング

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「年間ランキング」では、プリキュア玩具は総合入りは無し、女の子向けとして2位に「プリンセスパフュームDX」3位に「おしゃれヘアアレンジ パフ」、8位に「プリンセスパフューム」がランクインしました。

 やはり「変身玩具」と「妖精玩具」が強いですね。(余談ですが2016年「魔法つかいプリキュア」ではこの変身玩具と妖精玩具を兼用した「モフルン」が展開されています。)

2015年年間ランキングの推移
(クリックで拡大)

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kasumi19732004/20160206/20160206234502_original.png

2013年(ドキドキプリキュア)までは、「総合」で1~2アイテム、「女の子向け」で5~6アイテムがランクインしていましたが、昨年2014年(ハピネスチャージ)以降、女の子向けで3アイテムがランクインしています。

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 だいたい、年間の「女の子向け」玩具の売り上げトップ10のうち、半分はプリキュア玩具が占めていたのが、ここ2年は1/3に減少してきています。

 

こちらは、
Go!プリンセスプリキュア単体の月別のデータです。
(クリックで拡大)

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kasumi19732004/20160212/20160212191826_original.png

Go!プリンセスプリキュアの月別の特徴としては、なんといっても11月、12月の「女の子向けランキング」で一つもランクイン出来なかったことです。

11月12月のクリスマス前はだいたい、その年のいわゆる「箱もの玩具」がランクインするのですが、残念ながらプリンセスプリキュアではランク外でした。 

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昨年ハピネスチャージも12月に1つもランクインできなかったことを考えると、かつては定番であった
「クリスマスにプリキュア玩具」っていう考えはすでに古いものになりつつあるようですね。

もちろんランキングなので相対的なのものであり、他の玩具が強ければ、プリキュア玩具が例年同程度売れていてもランキングから外れることもあります。

しかし、ハートキャッチプリキュアの頃がほぼこの女の子向けランキングがプリキュア玩具で埋め尽くされていたことを考えるとちょっと寂しいですね。

2012~14年は「女児向けスマホ型電子玩具」が強かったですが、2015年はフェルティミシン、ファンルームなどの何か作る系のクリエイティブ玩具が強かったですね。

あと、同じバンダイの「ひみつのここたま」にもプリキュアはかなりシェアを奪われたような感じです。(おそらく今年も同じ傾向になるでしょう。)

プリキュアシリーズのトイネスランキング月別データ

 

ちょっと数字グラフ図表ばかりで華がないので、
キュアフローラの画像で一休みしてください。

Go!プリンセスプリキュア vol.1 [Blu-ray]

 

ここからは大人に関する数字です。

おとな指数

ツイッター実況数

<Go!プリンセスプリキュア ツイッター実況の動向>

ツイッターの実況数はつぶあに様のデータを集計しています。

8:30~8:59までのTVアニメ放送中にハッシュタグを付けてつぶやかれた数、いわゆる「実況数」の集計です。(詳細はhttp://www.tsubuani.com/about

スマイルプリキュアからの毎週の動向です。

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数値データはこちら

 

1話あたりの平均を取るとプリンセスプリキュア実況ツイート数は

1話あたり
23,424ツイート、参加人数2,192人。
昨年ハピネスチャージプリキュアは1話平均29,863、参加人数2,613でしたので、
昨対比較で 
つぶやき数で78.4%
参加人数で73.3%
となりました。

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傾向としてはスマイルプリキュア(2012年)から、毎年約30%減となっており2015年Go!プリンセスプリキュアではピークのスマイルプリキュアの約半数まで落ちています。

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日本のツイッター総つぶやき数自体はへっていないようなので、ツイッター自体のブームが下火になったことによるつぶやき数の減少ではなく、純粋に「プリキュアの実況ツイッター数」が年々減少しているようです。

実況数の離脱率

各シリーズ毎の1~5話と、最終5話分の「実況に参加した人数」を比較しました。

要は番組放送当初と、終盤でどれくらいの実況人数が変化しているかですね。

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スマイルプリキュア 94.6%
ドキドキプリキュア 65.2%
ハピネスチャージ  62.0%
Go!プリンセス   77.3%

 

スマイルプリキュアは驚異的な94.6%。
放送当初から、最後までほぼツイート実況している人数が減っていなかった事がわかります。

ドキドキ(65.2%)、ハピネスチャージ(62.0%)と60%台が続いていた中、
Go!プリンセスプリキュアでは77.3%とドキドキ、ハピネスよりは離脱する人数は少なかったようです。

つまり、

昨年と比較すると、ツイッター実況において
「実況する人は少なくなっているけど」
「実況参加した人は、最後まで離脱しない傾向にあった」ということですね。

大友的に離脱しなかったのは(商業的な話は別として)魅力ある作品であったからなのではないでしょうか。

 応援アプリ数

ドキドキプリキュア以降のプリキュアは、iPhone、androidともに「プリキュア応援アプリ」ってのがあります。
放送中にスマホアプリを立ち上げて「おうえん」すると応援数がカウントされるとともに、3Dキャラがもらえ、一緒に写真を撮ることができます。
全国で何人が「おうえん」しているのかがリアルタイムで集計されて、応援された総数が「応援数」として番組放送終了時に出ます。

(これは録画視聴ではなく、リアルタイムでみてもらうための1つの施策ですね。)

で、本来ならばもちろん子供が応援するべきなのですが(親がスマホでアプリ立ち上げて子供が応援するのが本来の使い方なのでしょうが)、幼稚園児が自分のスマホ持っているとも思えませんし、アプリ立ち上げるのは大人だと思いますので、一応大人指標としました。

プリキュア公式応援アプリの応援数の推移です。

(推移)http://f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kasumi19732004/20160202/20160202204304_original.png?1454413421カクンと落ちている所は「甲子園」による関西での放送延期分です。

 

(結果まとめ)

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Go!プリンセスプリキュアの応援数は、平均9,555。
昨年ハピネスチャージプリキュアの応援アプリでは、歴代のキャラの3Dモデルがもらえたため、応援数がかなり多かったのですが(15,335)、今年は昨年の62%まで減りました。

応援数は自然減で週を追うごとに減っていってはいますが、ドキドキ、ハピネスチャージの時よも減少率が少なく、例年よりは比較的「安定」していたといえるのではないでしょうか。(標準偏差をみてもそれが解りますね。)
ここでも、「参加人数は少ないけど」「参加した人は安定している」傾向が伺えます。

Googleトレンドの傾向

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Googleトレンドの傾向です。
2012年2月~2016年1月まで、「プリキュア」で検索しました。

「Go!プリンセスプリキュア」はハピネスチャージ後半からほぼ平行線で推移しています。
まあ、急激に上がるわけでもなく、下がるわけでもなく。
安定していました。 

ブルーレイBOX販売数

 ブルーレイボックス「1巻」の売り上げ枚数の推移です。
熱心な大きなお友達数の指標になるでしょうか。

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Go!プリンセスプリキュアのブルーレイ1巻(2015.10.21発売)の
1巻売り上げ枚数は1063枚。
昨年、ハピネスチャージプリキュアの588枚と比較すると、180%となっています。
「ツイッターでの実況数」、「応援アプリの応援数」など大きなお友達の数字が軒並み下がっているなか、このブルーレイボックスの数字だけはハネ上がっています。

これも昨年ハピネスチャージに比べて「見ている人」は少ないけれど、その「見ている人」は「濃いファン」になっていることを表しているのだと思います。
約2万円のブルーレイボックスを買うほどの、いわゆる「濃いファン」は増加している様です。(Go!プリのブルーレイBOXはいわゆる特典商法はあまり関係無いと思います)

それにしても「スマイルプリキュア」が群を抜いていますね・・。

 

2chスレッド数

 「まあ一応取っている」数字です。あまり意味ないかな・・・

グラフ中「オレンジ色」が放送期間中に進んだスレッド数です。

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放送期間中に進んだスレッド数だけで比較すると、

2009年フレッシュ:142
2010年ハートキャッチ:264
201年スイート:210
2012年スマイル:470
2013年ドキドキ:339
2014年ハピネス:233
2015年Go!プリ:167

Go!プリンセスプリキュアは昨年対比71.7%でした。
2ちゃんねる自体の衰退もありますしね。
自分もほとんど行かなくなっちゃいました。

コミックマーケット参加サークル数

これもまた「まあ一応取っている」数字です。

参加サークル数
C82: 402 (2012.8:スマイル夏)
C83: 414 (2012.12:スマイル冬)
C84: 346 (2013.8:ドキドキ夏)
C85: 283 (2013.12:ドキドキ冬)
C86: 242 (2014.8:ハピネス夏)
C87: 202 (2014.12:ハピネス冬)
C88: 220 (2015.8:Go!プリ夏)
C89: 不明  (2015.12:Go!プリ冬) 

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Go!プリで若干増えていた模様です。
これまた、ピークのスマイルプリキュアの半数程度に減少しています。

 

2015年Go!プリンセスプリキュアを取り巻いた状況

2015年は、玩具市場自体はプラス成長でした。

【玩具販売はプラス成長が継続】
 2015年の玩具販売金額は前年比6%増となった(図1)。上半期は同9%増と、「妖怪ウォッチ」関連製品を含む男児玩具がけん引したことに加え、「ファンルーム」や「アクアビーズ」に代表される女児ホビー製品の伸びが寄与した。下半期は、前年の大ヒット製品である「妖怪ウォッチ」製品の発売時期と重なるため前年比としては落ち込む懸念があったものの、基礎玩具や女児玩具が市場を底上げし、同4%増となった。中でも「レゴ」等のブロックや「それいけ!アンパンマン」関連製品、「メルちゃん」、「シルバニアファミリー」、「リカちゃん」といった定番製品が需要を喚起した。さらに女児ホビー製品においても編み物系玩具やヘアアレンジができる玩具等、新しいコンセプトの商品が登場し下半期の成長を下支えした。

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GfK Japan調べ:2015年の玩具販売動向 基礎玩具および女児玩具が市場を牽引|プレスリリース配信サービス【@Press:アットプレス】

2015年は玩具市場自体は好調でした。 

特に女児玩具は、女児ホビー商品、リカちゃん等の定番商品が好調だったようです。
また、業界紙トイジャーナルによると、
「Go!プリンセスプリキュア」玩具売り上げは昨年「ハピネスチャージプリキュア」を上回っている、
との事です。
詳細は下記記事を参照してください。

prehyou2015.hatenablog.com

 

ライバルアニメの動向

プリキュアと同時期に放送されていたライバルアニメを見てみます。

(プリキュアとライバルアニメの放送時期一覧) 
(↓クリックで拡大)

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/k/kasumi19732004/20160127/20160127202911_original.png?1453894533

 

アイカツ:一時期の勢いはなくなっているが引き続き放送中。

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アイカツは一時期の化け物じみた時期(2013年3Qの51億)からは勢いは落ちています。
アイカツ2015年3Qは、リニューアル前の静けさで主だった玩具、カードの展開を行わなかったため、6億とかなり数字が落ち込んでいます。

しかしアイカツ!は2016年1月にリリースされたスマートフォン用ゲーム「アイカツ!フォトonステージ」が絶好調のようです。今後は女児向けだけではなく、こういった方向での展開で対象年齢の拡大を狙っていくのでしょうか。
2016年春には、筐体のリニューアルおよびアニメのリニューアルも行われるようで、まだまだプリキュアの強力なライバルですね。


プリパラ:引き続き好調に推移している様子です。

プリパラ:9カ月で売り上げ70億円 ヒットのカギは“パキる” - MANTANWEB(まんたんウェブ)

タカラトミーアーツ、『プリパラ』登録者数が200万人突破! 目標の倍以上の速度で達成 香港・台湾・韓国でも展開 | Social Game Info

 9か月で70億の売り上げは、現在のプリキュアよりも高い数字です。
(ただしプリパラはアーケード筐体での売上がメインなのでビジネスモデル違います)

プリパラは新シリーズにて「子育て」の要素などかなり「魔法つかいプリキュア」と内容がカブってきそうです。

ジュエルペット7年続いたアニメシリーズが12月に終了しました。
女児玩具として2012年以降一世を風靡した「ジュエルポット」シリーズは2016年現在「ディズニーマジカルポッド」として再度好調に推移している模様です。

小さなプリンセスソフィア

テレビ東京・あにてれ ディズニー・サンデー 「ちいさなプリンセス ソフィア」

ディズニーのプリンセスものです。最近文具やアパレルが増えてきました。
昨年の「アナと雪の女王」旋風でプリキュアもかなりの影響を受けましたが、こちらも地味に脅威になると思います。
これと同時展開している「ディズニープリンセス」の生活用品も増えてきましたし、引き続きディズニーものは女児の心(と、その親の心)をガッツリつかんでいますね。


妖怪ウォッチ:厳密には「女の子むけアニメ」ではありませんが、かなり女の子の視聴、人気もあるようです。(玩具でも妖怪ウォッチ フミちゃんver」なども出ましたしね。)
妖怪ウォッチも一時期の勢いはさすがになくなってきたものの、まだまだ好調を維持しているようです。
2014年トイホビーだけでも552億を売り上げ、2015年の決算でも300億を見込んでいます。
2015年12月公開の劇場版も動員数でスターウォーズを上回る週があったなど、定番化してきているのではないでしょうか。
2015年の玩具売り上げトップ10中6アイテムが妖怪ウォッチ関連でした。

2015年最も売れた玩具トップ10

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 まだまだ、プリキュアを脅かしていくのではないでしょうか。

あと、新規IPとしてプリキュアのライバルになりそうなのは、


「かみさまみならい ヒミツのここたま」

テレビ東京・あにてれ かみさまみならい ヒミツのここたま

2015年9月より展開しているバンダイの新規IPですね。
シルバニアファミリーみたいなハウスドール玩具およびそれを元にしたアニメです。
これがまた、絶好調の様です。2015年クリスマス商戦のプリキュアは同じバンダイの「ここたま」にかなりシェアを奪われちゃった感じです。
2016年の引き続き怖い存在ですね。
ここたまのメイン玩具「おおきなここたまハウス」は2015年9月の発売にもかかわらず、2015年「女の子向け」玩具ランキングで1位を取る脅威をみせました。


(2015年 女の子向け玩具売り上げトップ10)

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「リルリルフェアリル」

リルリルフェアリル|セガトイズ

ジュエルペットの後番組。サンリオとセガトイズの共同開発プロジェクト第2弾です。
サンリオつよい、こわい。

まとめ

「Go!プリンセスプリキュア」を数字的な側面からみると、

子供的な数字は、子供の視聴人数はやや回復傾向にあるもの玩具、グッズの購入には結びつかず、東映アニメ版権、バンダイトイホビー売り上げなどは振るいませんでした。

大きなお友達的には、序盤から昨年よりも「見られていない」傾向がありましたが「見ている人は途中離脱することなく熱心に見ていた」傾向にありました。

これらの原因は多々考えられると思います。「Go!プリンセスプリキュア」というコンテンツ自身の問題、ライバル玩具、ライバルアニメの台頭などの外部的な要因。更には景気動向なども考慮にいれないといけないのかもしれません。
決して1つの原因ではなく、それらが複合して、このような結果になったものと思います。

 2013年ごろから女児向け玩具、女児向けアニメが群雄割拠の時代になってきています。
女児向けとしてのプリキュア1強の時代は終焉をつげ、今後も様々な強力なライバルが登場してくるものと思われます。

かつてのブルーオーシャンもかなり赤く染まってきています。

しかし「プリキュア」というコンテンツが10年以上に渡り支持されてきた大きな理由に
「あくまで誠実に、子供の方向を向いて制作する」っていうのがあると思います。
個人的な考えですが、この軸さえブレなければ、今後も女児向けナンバー1を維持していけるのではないでしょうか。


2016年新シリーズ「魔法つかいプリキュア」。
上々の滑り出しだったようです。
内容的な成功とともに、数字的にも良い結果がでると良いですね。

 

 

(おわり)