2021年11月9日
バンダイナムコの2022年3月期 第2四半期決算短信が発表されました。
期間としては、2021年7月~9月の結果です。
IR・投資家情報|株式会社バンダイナムコホールディングス
プリキュア、2021年2Qの
トイホビー売り上げは 14億円でした。(昨対93.3%)
上半期(1~2Qまでの累計)は30億(昨対90.9%)
数字的にはこうなります。
(グラフ)
(年度別トイホビー(4月~翌3月)売上)
企業の決算に基づいた集計です。
(トイホビー売り上げは、玩具の他、アパレル、食玩、文具、生活用品等を含みます)
(作品別 トイホビー(1~12月)売上げ)
作品の放送期間に合わせて1~12月で集計したものです。(公式な集計ではありません)
(この作品別ってのはプリキュアの放送期間に合わせて1~12月で再集計したものです。公式な集計ではありません)
(思う事)
トロプリ2Q(7~9月)のトイホビー売り上げは14億円でした。
これは集計取り始めてからもっとも低い数値となっています。
もちろん新型コロナ禍の影響もあるのでしょう。
2021年7月~9月は新型コロナの感染者数が日本で爆発的に増え、一番感染者数が多かった時期です。
(今年の夏休みも帰省できずに、子供たちも玩具を買ってもらえない事もあったと思われます。)
7~9月は、追加プリキュアの新アイテムで市場が盛り上がる時期だけに、この時期に新型コロナ禍の感染ピークが当たってしまったのは不幸としか言いようがありません。
キッズコスメ「PrttyHolicシリーズ」が絶好調というアナウンスがずっとあっただけに、ちょっと残念ではあります。
ただ、プリキュア以外のIPの動向を見ると、一概にコロナ禍の影響だけでもない事がわかります。
2020,2021年年上半期(4~9月)のバンダイナムコ主要IPの売り上げ比較はこうなっています。
(赤字は昨年より落ちたもの、黒字は昨年よりも上がったものです)
これを見ると、バンダイの主要コンテンツで2021年上半期で、昨年よりも下げているのはドラゴンボールと、ニチアサ3作品(ライダー、戦隊、プリキュア)のみなのですよね。
ウルトラマンは絶好調で昨対167%、アイカツ!も(元の数字が小さいとはいえ)217%と絶好調な推移です。
そのほかもだいたい10%増が続く中、ニチアサ3作品のみが昨対割れを起こしているのです。
今年は昨年の様な新型コロナ禍の影響による「再放送」などがあったわけでもなく、テレビ放送と玩具の連動は取れていたはずです。それでもニチアサ3作品が昨年割れを起こしているのは何故なのでしょうか。
玩具業界紙トイジャーナルで2021年1月号で、バンダイの代表取締役 川口勝氏は、「定番IPの苦戦」に関してこんな事を言っています。
本誌 定番IPの苦戦に関しては従来型のキャラクターマーチャンダイジングが通用しなくなってきているということもあるのではないでしょうか?
川口 コロナ禍の影響なのか従来からの戦略の全体的なパワーダウンなのかは難しいところですが、番組が休止している中で、子供たちがどうやってIPの情報に触れたのかを考えるとタッチポイントも従来とはかなり変化してきていると思います。TV放送だけをやればすべてうまくいくという時代はなくなってきており、色々と工夫をしないといけないでしょうし、これまでと同じことをやっていれば同じような売り上げがついてくるという状況ではないと思っています。バンダイ 代表取締役 川口勝氏
月刊トイジャーナル(東京玩具人形協同組合)2021年1月号(P25,26)
バンダイサイドとしても「定番IP」は
「TV放送だけをやればすべてうまくいくという時代はない」
と認識していて、様々な施策を行っていく様です。
「TV放送でCMを流して玩具を売る」というビジネスモデルがここにきて難しくなってきているのが、この新型コロナ禍で浮き彫りになってきている感じもありますよね。
推移を見守っていきたいと思います。
(おわり)