突然ですがスター☆トゥインクルプリキュア終盤のお話です。
(※注意!スタプリ終盤の盛大なネタバレがあります!!)
個人的に「SFモノ」としてのスタプリが大好きで、スター☆トゥインクルプリキュアでは、終盤47話で衝撃の事実が語られるわけです。
スタプリ世界での「プリキュア」が「前に戻す存在(pre-cure)」としてスタープリンセスに「作られた存在」だった事、
1話からずっと「自分のイマジネーションで変身していた」と思っていたものが
実はスタープリンセスから分け与えられた借り物の力であったという衝撃の事実が明かされるのですよ。
僕たちはずっと「プリキュア」をメタ的に16年間ずっと「プリティでキュアキュア」な存在だと認識して疑う余地なんて無かったのです。
それがここにきてスタプリ世界でのプリキュアは歪んだイマジネーションを「前に戻す存在」だったと明かされたわけです。
ずっと彼女達は「前に戻す」ために戦わされてきたのですよね。
「プリキュア=未来へ進む女の子の物語」ではなく、「プリキュア=(後ろ向きな)前へ戻す存在」だったという事が、この終盤で明かされるSFとしてのギミック!!すげえ!!ってなったのですよ。
で、宇宙を救うためには、ずっと守るべき存在であり一緒に思いを育んできた「フワ」を犠牲にするしかないのだけど、犠牲を当たり前の様にプリキュア達に強制するスタープリンセスの無邪気な正義感というか「人類とは相容れない思想を持った超越存在」がいる事もSF的だし、
「フワを失いたくない」という人間的な想いが仇となり宇宙を救う事が出来なかった、とうギミックも良いですよね。好き。
画像引用:https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2001/23/news019.html
フワを失い、宇宙も消える。
だけど暗黒の世界で星奈ひかるはまたみんなと出会うのですよ。
羽衣ララとの触覚センサータッチ、そして子供の頃に想像した「フワ座」が描かれたノート。
友達との出会い、そして自分が子供の頃に思い描いてたものは決して作られたものじゃない。
星奈ひかるは自分自身のイマジネーションで歌うのよ。
「きらめく星の力で、憧れのわたし描くよ」
宇宙は消えても「心の宇宙」は自分自身のもの。
自分の創造力は借り物じゃない、決して作られたものじゃない。
歌い続ける星奈ひかる。
呼応して歌を重ねるララ、まどか、えれな、ユニ。
画像引用:https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2001/23/news019.html
作られたものから、創り出すものへ。
プリ・キュア(pre-cure)を「前に戻す力」から「前へ進む力」へと再定義して、
今度こそ借り物ではない、自分自信のイマジネーションで「なりたい自分」に変身するのよ。
5人のプリキュア達が自分自身のイマジネーションの力で「5人で1つの星を作りながら再度変身する」シーンの超絶カッコよさ!!!!
もう、ああプリキュアを信じててよかった!!と思えたあの瞬間。
想いを1つに、ではなく思いを重ねる事。
それぞれの個性が、みんなで1つの星を作るのですよ。
それぞれの「心の宇宙」が集まって、宇宙が再構築されていく。
スタプリでは「思いを1つに」ではなく「想いを重ねて」が多用されていました。
たくさんの想いが重なりあいこの宇宙が出来ている。
1人の救世主が宇宙を救うのじゃなく、たくさんの想いが重なり合い宇宙が救われる。
その後のBパートの蛇つかい座のプリンセスとのラストバトルも超絶カッコ良いのよ。
スタプリの集大成ともいえる、宇宙空間を縦横無尽に動き回るバトル。
キュセレーネの超巨大なセレーネアローが最高にカッコイイのよ!
蛇つかい座のプリンセスを倒すのではなく、大いなる闇のみを消し去り「キラやば☆な世界」を見守り宇宙を監視し続ける存在にしたのもSFっぽくて好き。
復活はしたものの記憶を失ったかに見えるフワに、AIさんが「忘れるはずがありません」っていうのも好き。
ララを引き留めようと一瞬手が動くけどグっと我慢する星奈ひかるが好き。
出会った時と同じセンサータッチのあいさつでお別れする、2人の関係性が好き。
それを見守るえれな、まどか、ユニも好き。
もう全部好き。
異星人とのファーストコンタクト、自我を持ったAI、奇跡の確率、異文明の衝突、自由と迫害、消える宇宙などSF的なガジェットがこれでもかと数多く散りばめられたスタプリ。
その上で、
根幹である「プリキュア」という存在を、一度「前に戻す存在」としたうえで、再度そのプリキュアたちの想像力によって「未来へ進む存在」と再定義し、「あなたの心の宇宙は誰にも消せない」に収束させたスター☆トゥインクルプリキュア。
SF作品としても本当に最高だったと思うのです。
好き。
(おわり)
(補足、というか最終回感想)
その後の最終回49話、星奈ひかるは「もう一度宇宙に行く」というララとの約束を果たすため宇宙飛行士を目指すのだけど、宇宙飛行士になるために勉強を重ねれば重ねるほど、どこかのタイミングで、仮に宇宙に行けたとしても惑星サマーンには行くのは無理だと悟った瞬間があったと思うのよ。
だって仮に光の速度が出せる宇宙船があったとしても、何千何万光年も離れているであろう惑星サマーンに行くのは無理で「生きているうちに会えることはもうないんだろうな」ってどこかで気づいていたはず。
それでも、それでもララとの約束を果たすために、ほんの少しでも羽衣ララに近づくために「もう一度宇宙に行く」約束をあきらめなかった星奈ひかる、それを支えたまどかさん。
そして、起こる奇跡。
ラストの「キラやば☆」
48話が最高だったのに、重ねてさらに最高な最終回。
ああもうスター☆トゥインクルプリキュア、SF子ども向けアニメーションとして本当に好き。
好き。
(おわり)
スタプリ感謝祭で飲んだくれて酔っぱらった姿も含めて好き。