3年9か月もの間 、全世界を魅了してきたアニメ「プリパラ」が終わりました。
「キラっとプリ☆チャン」にも期待していますが、ずっと習慣で見ていた「プリパラ」が終わってしまったのは、とても寂しいのです。
自分は黄木あじみ先生が大好きでした。
ぶっとんだキャラの博覧会だったプリパラの、その最北端にいた奇跡のキャラクター、それがあじみ先生です。
あじみ先生、アバンギャルドを優に超越した、常人には理解不能な言動とは裏腹に、その持ち歌「パニック・ラビリンス」が良い事歌っているのです。
一見電波系な歌なのですが、その奥には「型にはまらずに生きていこう」というメッセージが込められた、あじみ先生が唯一「先生」している名曲なのです。
「君と夢混ぜて、出来た色、どんな名前つける?」
黄木あじみ パニック・ラビリンス
そんなプリパラでは、たくさんの歌が作られました。
定番「Make it!」「 ドリームパレード」から迷曲「オムオムライス」「愛ドルを取り戻せ!」、個人的に一番好きなプリパラ3期エンディング「GROWIN' JEWEL!」、”ときめきシンギュラリティ”なんてすごい歌詞のでてくる「チクタク・Magicaる・アイドルタイム!」まで。
プリパラは3年9か月、何を歌ってきたのか?
形態素解析(テキストマイニング)により、分析を試みました。
1.方法
テキストマイニングのソフトにはいつもの「KHCoder」を使用。
「Lyrics Master 」にて、歌詞を一括でテキスト化、結合して分析しました。
(歌詞の取得、テキスト化の方法はこちらに)
今回は「うたまっぷ」登録の曲を使用し、プリパラとの比較のために他3つのアニメを使用しました。
プリパラ 83曲
アイカツ! 170曲
プリキュア 391曲
アイドルマスター 203曲
合計 847曲の歌詞を取得し、分析を行いました。
(どのシリーズもシリーズ別には分けていません。例)プリパラは「プリパラ」+「アイドルタイムプリパラ」合算です。
また、アイドルマスターの楽曲はアニメ以外も含まれますが、便宜上アニメで扱います)
特徴語句
まずは各アニメ毎の「特徴的な語句」をみた所、下記の様になりました。
共通して出てきてるのは「夢」。
面白いのは、
アイドルアニメ群(プリパラ、アイカツ!、アイマス)では
「自分」「わたし」が特徴として出てきているのに対し、
プリキュアでは「みんな」が特出する点です。
アイドルアニメはやはり「自分」を主題に描かれることが多く、これはアイドルというテーマに合致しているものと思われます。
対しプリキュアは「みんな」を主題にした歌詞が多かった様です。
プリパラはアイドルアニメの中でも「アイドル」という単語が唯一出てきているのも面白いです。
対応分析
対応分析図です。
単語が近くにあるものは相対的に関連が深い語です。
それぞれのアニメがどの位置にあるかによって、そのアニメに関連が深い語句がわかります。
今回は「動詞」を抽出して見てみました。
歌詞の「動詞」の対応分析
各歌詞で使われる「動詞」の観点から見ると、
プリキュアは「守る」「つなぐ」「信じる」などが特徴として現れています。
さすがに「ヒーロー」ですよね。
アイドルマスターは「飛ぶ」「届く」といった辺りです。
「アイカツ!」と「プリパラ」は似た傾向の単語群が出現し、
「踊る」「歌う」「叶える」などが特徴的な語句と言えるのでしょう。
プリキュアと、他3つが異なるのはアニメの性質上当たり前だとして、
同じアイドルアニメでも、女児向けの「プリパラ」「アイカツ!」と大きなお友達メインの「アイドルマスター」では歌詞の傾向が違うことが伺えます。
アイドルマスターでは「飛ぶ」「届く」「響く」など比較的抽象的な言葉が使われていたのに対し、
「プリパラ」「アイカツ!」では「歌う」「踊る」「叶える」など子供にもわかりやすい歌詞が使われている傾向にある様に感じます。
共起ネットワーク図
共起ネットワーク図です。
見方を図解すると、こうなります。
4つのアニメの歌詞に共通するのは、中央にある
「世界」「夢」「みんな」「未来」。
これらは4つのアニメの歌詞に共通して出てくるワードです。
「プリパラ」は「輝く」「自分」という単語で「アイカツ!」と繋がっているのも面白い傾向です。やはり、
また、それぞれの作品名に直結しているのが、その作品に特徴的に出てくるワードです。
プリパラでは、「WE」「キラキラ」「胸」「さぁ」「Les'S」「アイドル」が特徴づけられています。前向きな単語が多いですよね。
ここでもやはり「アイドル」はプリパラに特徴づけられた言葉でした。
コーディングルールに基づくクロス集計図
次に、コーディングルールを設定し、クロス集計を行いました。
コーディングルールは下記の様に設定し、
それぞれのアニメが
・「今」を歌っているのか「未来」を歌っているのか?
・「恋愛」なのか「友情」なのか?
・「アイドル」の出現具合
・「自分」を歌うのか「仲間」を歌っているのか?
をビジュアル化しました。
(結果)
箱が大きいほど使用されている語句群が多く、色が濃くなるほど「特徴的」である、という事になります。
特徴的な語句(赤く濃い色)に注目してみると、
プリパラは「アイドル」との「友情」を
プリキュアは「仲間」との「未来」を
アイカツ!は「自分」の「未来」を
アイドルマスターは「今」と「恋愛」を、
それぞれ歌ってきている傾向にある事がわかります。
プリパラは3年9か月、何を歌ってきたのか?
ここまで他のアニメと比較して「プリパラ」の歌詞の傾向を見てきましたが、
「プリパラ」は「アイドル」「仲間」「友情」を歌ってきた傾向にあることがわかりました。
ここで思い出されるのが、プリパラのキャッチフレーズ、
「み~んなともだち、み~んなアイドル!」です。
そう。
プリパラシリーズはそのキャッチフレーズの通りに、
3年9か月の間、ずっと
「アイドル」と「友情」を歌い続けてきたのです。
それは「プリパラ」3期のエンディング、
名曲「Growin' Jewel!」が体現しています。
好きな歌、歌うとき 思い出しちゃうことはなぁに?
「トモダチ」ってキーワード いつも浮かんできちゃう。
あつまるといつだって 嬉しくってしかたない
(You are my FRIENDS)
いちばん近くで憧れるアイドル!SoLaMi Dressing 「GROWIN' JEWEL!」より
(この曲、エンディングで一緒に流れる映像が本当に泣けてくるのですよね)
さらに遡れば、プリパラ第1話、そして第87話「語尾の果て」でのみれいのセリフ。
「プリパラは好きぷり?」
「うん!」
「じゃあ大丈夫!できるぷり!みんなはアイドルの歌を待っているぷり!」
「世界中に向かって届くように、思いっきり歌うぷり!ここではすべての女の子に、それが許されているぷり!」
「プリパラ」を通してつながった「友達」が「アイドル」となって全世界に歌を届ける。
プリパラは、ずっとずっとそれを歌い続けていたのです。
SoLaMi♡SMILE(そらみスマイル)も、
DressingPafé(ドレッシングパフェ)も、
Gaarmageddon(ガァルマゲドン)も、
Tricolore(トリコロール)も、
NonSugar(ノンシュガー)も、
うっちゃりビッグバンズも、
MY☆DREAM(マイドリーム)も、
EVER GOLD(エバーゴールド)も、
「み~んなともだち み~んなアイドル!」
それを、ずっとずっとそれを歌い続けていたのです。
ありがとう、プリパラ。
たくさんの素晴らしい曲、ありがとうございました。
ガァルマゲドンの結成の時のライブ「アメイジング・キャッスル」本当に感動しました。未だに何度も見ています。
こんな素晴らしい作品に、3年間9か月も触れ合えたこと、本当に幸せでした。
(おわり)
(プリキュアに特化したテキストマイニングは、同人誌で行いました)