プリキュアの世代別の視聴人口の推移を調べました。
ちょっと面白いことがわかりました。
世代別の視聴人口は、個人視聴率*1、と関東地区の視聴人口*2から算出できます。
これらのデータから、プリキュアの各世代別の関東地区の視聴人口を計算しました。
(全てのデータは筆者個人が調査、計算したものです。)
プリキュア1話あたりの平均視聴人口と構成比を表にするとこんな感じになりました。
(↓クリックで拡大します)
これをグラフで可視化していきます。
今回は、導入として単純化するために、
KIDS(男女 4~12歳)
TEEN(男女 13~19歳)
成人男子(M1+M2+M3;男子20歳~)
成人女子(F1+F2+F3;女子20歳~)
に、分類分けしました。
文中のデータは全て、「関東地区」*3のデータです。
プリキュアの視聴人口の推移
これは、プリキュアシリーズ1話あたりの平均視聴人数の推移グラフです。
(関東地区で1話あたりどれくらいの人が観ているか、ということです)
ちょっとグラフがゴチャゴチャしてるので、解りやすいように
(KIDS,TEEN)と(成人男子、成人女子)にグラフを分割しました。
KIDS層の視聴者数の推移
まずは、KIDS,TEENの関東地区の1話あたりの平均視聴者人数の推移です。
KIDS層の視聴人数は年々、減少しています。
2004 2015
ふたりはプリキュア Go!プリンセスプリキュア(28話まで)
58.6(万人) → 31.7(万人)
「ふたりはプリキュア」時代は58.6万人のKIDS層が観ていたのが、
Go!プリンセスプリキュアでは31.7万人にまで減少しています。
(当然ですが、KIDS層は男女4~12歳、つまり男の子も女の子も、幼稚園児も小学6年生も入りますが、そのほとんどは4-6歳女児だと推測されます。)
TEEN層も「ふたりはプリキュア」で8.2万人がハピネスでは1.9万人になっています。こちらも減少し続けています。
(むしろ「ふたりは時代」には関東地区で10万人近くの思春期エイジがプリキュアを観ていたことが今見ると驚きですね。)
KIDS層の視聴人口は確実に減ってきているのです。
成人男子、成人女子の視聴者数の推移
それに対し、こちらは
成人男子(M1~M3;男子20歳~)
成人女子(F1~F3;女子20歳~)の視聴人数の推移グラフです。
2004 2015
ふたりはプリキュア Go!プリンセス(28話まで)
成人男子 30.8(万人) → 33.0(万人)
成人女子 45.6(万人) → 43.2(万人)
こちらは年度により多少の上下はあるものの、10年前から視聴人口はほとんど変わりがありません。
成人男子、成人女子の1話あたりの視聴者数は10年前とほぼ変わらないのです。
KIDS,TEENの減少幅が大きい
「率」でみるとわかりやすいでしょうか。
2004年「ふたりはプリキュア」を100とした時の、シリーズ毎の割合です。
「ふたりはプリキュア」を100とすると、
2004 2015
ふたりはプリキュア Go!プリンセスプリキュア(28話まで)
KIDS 100 → 54.1%
TEEN 100 → 31.8%
成人女子 100 → 94.8%
成人男子 100 → 107.0%
一番 減少幅が大きいのがTEEN。
ふたりは時代から31.8%まで減少しています。
(ただし、これは母数自体が少ないので影響は少ないものと思われます。)
次に、減少し続けているのが、KIDS。
ふたりは時代を100とすると、54.1%。10年で約半減しています。
逆に、成人女子(100→94.8%)成人男子(100→107%)は減っていないことが解ります。(むしろ成人男子は増えている・・)
つまり、現在プリキュアの視聴人口の傾向は、
- KIDS層(子供)の視聴人口は年々、減ってきている。
- 成人男子、成人女子の視聴人口は、10年前から減っていない。
ことがわかります。
再度、最初のグラフです。
2004年「ふたりは」 KIDS>成人女子>成人男子
2009年フレッシュで、 成人女子>KIDS>成人男子
2015年の現在では 、 成人女子>成人男子>KIDS
に構成がかわっています。
フレッシュ、ハートキャッチの時代に大きく成人女子、成人男子を呼び込んでいたようですね。
もちろん、この成人男子、成人女子ってのはいわゆる「大きなお友達」だけではありません。子供と一緒に見ているお父さん、お母さんも多いのでしょう。
今まで子供一人で見ていたご家庭でも、フレッシュ時代から数多くのお父さん、お母さんが子供と一緒に見始めたことにより、成人男子、成人女子の視聴人口がハネ上がったのでしょうか。さらに言うなれば、それまで子供+親、だったのが高齢化に伴いおじいちゃん、おばあちゃんがプラスされて成人視聴人口が上がったのでしょうか。
もちろん、それも考えられなくもないです。
それでもちょっとこの2作品はちょっと成人男子、成人女子の視聴人口が多くなりすぎている気がします。
この2作品がプリキュアの視聴者の転換期になっていたものと思われます。
何が原因なんだろう
で、これは何が原因なのでしょうか。
子供の視聴が減るのは、時代の変遷もあり、まあ仕方が無い側面はあると思います。
(それでも沢山の子供たちにプリキュアをみてほしいですけどね)
必然的に「子供の数が減れば」「一緒に観ているお母さん、お父さん」も減っていくはずです。それが起きていない、ということは「何かが起きている」ことは間違いないと思います。
ただ、これをもって単純に「大きなお友達」が増えた、と結論付けるのは早急です。
プリキュアの視聴率はその前番組である仮面ライダーの視聴率と相関があります。*4
(仮面ライダーの視聴率が高いと、プリキュアの視聴率も高くなります。ただし相関があるのと因果があるのはまた別です。)
フレッシュプリキュアの時代は、仮面ライダーはディケイド、Wといった「ライダーバブル」と呼ばれる時代に入ったころです。
プリキュア、仮面ライダーの世帯視聴率の52区間移動平均線
(↓ライダー、プリキュアの世帯視聴率には相関関係がある)
こっちはバンダイのトイホビー売り上げです。
(↓ディケイドからライダーバブルが始まっている)
これら仮面ライダーの好調さ(=ライダーの成人男子、成人女子の視聴人口が多い)が、フレッシュ以降のプリキュアの成人視聴人口にも影響を及ぼしていた可能性もあります。(断定はできませんよ)
でもでも。
やっぱりそれだけではないような気がします。
先ほど言及したように、高齢化により親だけではなく、「おじいちゃん」「おばあちゃん」も子供と一緒に見るようになったとすれば、もう少し、F3、M3の視聴率が上がっても良いような気もします。
やっぱりこの辺りで、なんというか視聴者層の一部が変わってしまったような感じがします。
で、KIDS視聴人口が減った理由は?
あと、やっぱりKIDS視聴率の低下も気になります。
プリキュア、沢山の子供に見てもらいたいのです。
(ウチの上の娘は卒業しちゃいましたが・)
何故、プリキュアのKIDS視聴人口は年々減ってきてしまっているのか。
当然、内容的な部分もあるでしょう。継続年数的にも成長期は終わって安定期に入っているだけ、という見方も出来るのでしょう
が、それだけではないような気がします。
外部的な要因として考えられるものを挙げます。
- 少子化の影響
統計局ホームページ/統計トピックスNo.89/全国によると(この10年で14歳以下の子供の数は1759万人→1657万人,、約5%の減少ですね。プリキュアの視聴人口が半減した理由には弱いのかな、とも思います。)
- 景気動向(リーマンショックが2008年末でしたね)
- 消費税増税(2014年4月に8%)
- 地デジ化の影響(2011年7月)
- 録画率
録画率はここ(地上波録画予約ランキング | インターネットTVガイド)で
週ごとのアニメの録画率ランキングを見ることが出来ます。が、プリキュアが入ることはほとんどありません。つまり現状、プリキュアの録画率も他アニメにくらべ高いわけではないみたいです。 - 他作品の影響
(プリキュアと同時期の女児向けアニメ)
(アイカツは2013、14年、猛威を振るっていた)
なども考慮にいれて考えないといけないのかな、と思います。
うーん、どれもイチ側面の説明は出来そうですが、決定的な理由ではないような気がします。
むしろこういったものの複合的な要因が複雑に絡み合い、現状の姿になっているのでしょうか。
自分はこういった「分析力」がとても弱いのです。
自分ひとりではとても考えがまとまりません。
(そもそもイチ素人がそんなこと考える必要があるのか、とか突っ込まないで・・・)
誰か教えて
この辺りから推測される、
- 何故、プリキュアのKIDS視聴人口は年々減ってきているのか
- 何故、プリキュアの成人男子、成人女子の視聴人口は維持されているのか
このあたり、皆さまのお知恵を借りたいのです。どんな糸口でもいいのです。
何か解らないでしょうか?(と、他人任せにしてみる)
(追記)
↓2015.9.19 頂いたコメントに返信しました。↓
(関連記事)
*1:
テレビ視聴率(特定の番組) | 調べ方案内 | 国立国会図書館
*2:
2011年以降は2011年のデータ使用しています。データはネット上にありました。例えばこういったデータテレビ東京営業局 城山センター/メディアガイド:メディアデータ
*3:東京都(島部を除く)、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県
*4:
スマイルまでの仮面ライダーとプリキュアの世帯視聴率の相関図。相関係数0.76